その贈与、過去に届出を出していませんか?

vol.158(since 07/01/07〜) 

17/08/08

 

 

以前の記事で触れたとおり、贈与の方法には

 

@暦年贈与
A相続時精算課税贈与

 

の2種類があります。

 

また通常、贈与は@の方法で行われており、Aの贈与は

 

・選択するためには届出書の提出が必要
・いったん選択したら、以後の贈与は全てこの制度を適用

 

などの注意点があります。

 

 

このAの贈与を選択したにもかかわらず、選択後何年も後に@の贈与で申告してしまい、税務署から指摘を受けて修正申告する、というケースが増えていますふらふらふらふらふらふら

 

 

例えば、こんなケースです。

 


・母Aは平成20年、長男Bに現金2500万円を贈与した。

・同年の贈与税申告において、AとBは相続時精算課税制度選択届出書贈与税申告書を期限内に提出した

・その結果、平成20年のBの贈与税の課税価格は贈与財産の価額2500万円−特別控除額2500万円=0円となり、贈与税は0円だった。

・平成25年、BはC生命保険会社と生命保険契約を締結した。保険料は年100万円(年払)だったが、C社の社員が「年110万円までなら贈与税がかからないから、Aから毎年100万円贈与を受けて保険料を支払えばいい」と言われ、以後毎年贈与を受けて保険料を支払っていた

 

 

もうお分かりだと思いますが、AとBは相続時精算課税制度を選択しているのですから、以後AからBに対して行われる全ての贈与はこの制度が適用されます。

 

ところがBは、以前この制度を選択したこと、また2500万円の特別控除枠を使い切ったことを忘れてしまっていて、C社社員の言うことを鵜呑みにして保険に加入してしまったのです。

 

 

Bは後日税務署から誤りを指摘され、平成25年分から、1年当たり100万円×20%=20万円の贈与税+延滞税を納付することになりましたもうやだ〜(悲しい顔)もうやだ〜(悲しい顔)もうやだ〜(悲しい顔)

 

 

このようなことが起こってしまう原因は、

 

 

相続時精算課税制度の選択は贈与者側(A)の事情で行うことが多く、受贈者側(B)に制度を選択したという意識・感覚が乏しい
(事例の保険会社社員のような)第三者が、当事者の事情を確認せず、営業上の都合で贈与を勧めてくる

 

 

が考えられます。

 

 

なお、上記事例で、仮に平成20年の現金贈与の金額が2000万円だった場合はどうでしょうか?

 

 

特別控除枠は2500万円なので、この時点では控除枠がまだ500万円残っています。平成25年から毎年100万円ずつ贈与したとしても、5年間はこの枠が利用できるので贈与税は支払わなくて済むのではないか?と思いがちです。

 

 

しかし、結果は同じです。Bはやはり1年当たり100万円×20%=20万円の贈与税+延滞税を納付することになります。

 

 

なぜなら、特別控除を使用できるのは期限内申告が要件となっているからです。Bは平成25年分以後の贈与税の申告をしていません。つまり申告期限を過ぎてしまっているため、残っている500万円の特別控除枠を使用できないのです。

 

 

相続時精算課税制度を選択して贈与をした場合、以後の贈与は全てこの制度で申告する必要がある、ということを忘れないようにしましょう。

 

 →カテゴリ:相続&贈与

 

 

 

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贈与財産が相続財産にプラスされる場合と、されない場合。

vol.155(since 07/01/07〜) 

17/05/15

 

 

まずはケーススタディで確認しましょう。

 

 

被相続人A(父)は平成29年1月1日死亡しました。
相続人はB(長男)とC(二男)の2人。
Aの財産(=純資産価額)は4000万円、BとCは2分の1(=2000万円)ずつ財産を取得します。

 

 

この場合、課税遺産総額は

4000万円−基礎控除4200万円(3000万円+600万円×2)<0

となり、相続税は生じませんわーい(嬉しい顔)

 

 

ところが、Aは平成26年5月1日に、BとCにそれぞれ500万円ずつ、計1000万円の現金を贈与していたことが判明しました。なお、BとCは贈与税の申告をしています。

 

 

そうすると、課税遺産総額は、

純資産価額4000万円+生前贈与加算1000万円−基礎控除4200万円=800万円

となり、相続税が生じることとなりますがく〜(落胆した顔)

 

 

これは相続税法上、相続開始前3年以内に被相続人から贈与(=一般贈与)を受けていた場合、その財産の価額は相続税の課税価格に加算する」という規定があるためです。

 

 

このケースでは、Aはもともと5000万円あった財産のうち、生前にBとCに計1000万円を贈与したため、死亡時の財産は4000万円になりました。
しかしこの規定により、相続税申告上、Aの財産の価額は贈与前の5000万円として申告することになります。

 

 

もちろん、贈与そのものは有効です。
また、BとCが支払った贈与税は、それぞれ支払う相続税から控除されます。

 

 

ところで、平成26年5月1日に、AはBとCにではなく、D(Bの子=孫)とE(Cの子=孫)にそれぞれ500万円ずつ、計1000万円贈与していた場合、生前贈与加算の既定の適用はあるのでしょうか?

 

 

答えは「NO」です。
生前贈与加算の規定の適用を受けるのは、「相続又は遺贈により財産を取得した者が、3年以内に贈与を受けていた場合」に限られます。

 

 

このケースでは、DとEはAの相続により財産を取得していません。従って、DとEが贈与を受けた1000万円は生前贈与加算の対象外となり、Aの課税価格は4000万円のままです。結果として、相続税は生じないことになります。

 

 

贈与する相手によって、相続の際その贈与財産を加算するケースとしないケースがある、ということになります。 

 

 

人が亡くなる時期は事前にはわかりません。つまり生前贈与を行った時点では、その贈与財産が3年以内加算の対象となるかどうかはわからないのです。ただし、その贈与の相手が相続又は遺贈により財産を取得しなかった場合、この規定の適用はないことになります。

 


 

 

  

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同族会社への貸付金が、相続財産になる???

vol.154(since 07/01/07〜) 

17/04/10

 

 

中小企業のほとんどは、会社運営に必要な資金の一部を借入金に拠っています。

 

 

その借入先を大別すると

 

 

・金融機関からの借入金
・社長(又は親族)からの借入金

 

 

となります。

 

 

社長借入金が生じる原因は

 

 

・創業時の運転資金
・資金不足時の一時的な資金繰り

 

 

などによります。

 

 

この社長借入金が厄介なのは、殆どの場合、返済期限や返済条件を定めていないことですよく言われる「ある時払いの催促なし」の状態ですね。

 

 

社長からすると、会社に貸しっ放しで、大抵の場合時間の経過とともにその存在を忘れていきます。決算時に私たちが「社長、会社への貸付金がまだこれだけありますよ」と報告すると、「ええ、いつそんなに貸したの?」とびっくりされることもしばしばです。

 

 

さてこの社長借入金、社長が元気に、現役で社長業に携わっている間は大きな問題はありません。問題が生じるのは、この借入金を返済しないまま、社長に相続が発生した場合です。

 

 

相続税の計算上、この社長借入金(=同族会社への貸付金)は、基本的に相続財産として相続税の課税価格に算入されます。

 

 

私たちが遺族の方にこのことを説明しても、ピンと来ないケースがほとんどです。そもそも社長自身に「会社にお金を貸している」という感覚がないのですから、その遺族は貸付金の存在など知る由もないのが普通です。

 

 

しかし貸付金はまぎれもない「相続財産」であり、相続税の課税の対象となります。またこの貸付金は「相続財産」として遺産分割協議の対象となり、相続人の誰かが取得することとなります。この貸付金を取得した相続人は、会社に対する新たな「債権者」となり、会社に対し返済を求めることになります。

 

 

ところで、会社はこの新たな債権者に対し、借入金を返済することができるのでしょうか?

 

 

残念ながら、その可能性は低いでしょう。社長借入金は多くの場合「返済できないから貸しっ放し」の状態にあったのです。

 

 

また、借入を重ねることでその残高が多額になっているケースもあります。そうすると、ますます返済は困難です。いわば「不良債権」の状態です。

 

 

いつ、いくら返済されるかどうかもわからない「不良債権」の状態にある貸付金が相続税の対象となってしまう。これを避けるために、生前に採れる対策はあるのでしょうか?
以下のような方法が考えられます。

 

 

@相続発生前に、会社を解散する
A相続発生前に、借入金につき債務免除を受ける

 

 

@によれば、会社清算の過程で弁済を受けることとなり、また弁済不能であれば貸付金額のうち全部または一部の債権放棄をすることになります。しかし会社が継続する場合この方法は採用できません。

 

 

Aによれば、貸付金額の全部または一部の債権放棄をすることになります。しかしこの方法は会社に債務免除益が生じ会社に課税されるだけではなく、他の株主に対する贈与税の課税関係が生じる場合があります。

 


これらの対策が有効かどうかは、社長や会社の財産状況により異なり、ケースバイケースで判断することになります。会社に多額の社長借入金や親族借入金がある場合、思わぬ税金がかからないよう事前のシミュレーションが重要です。

 

 

 

 

 

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住宅取得関連税制〜中古住宅を取得する場合の注意点〜

vol.153(since 07/01/07〜) 

17/03/13

 

 

間もなく、確定申告の提出期限ですね。

 

 

毎年多くのお客様から申告のご依頼があるのですが、面白いもので年によってその申告内容に特徴があるのです。
平成28年の特徴は、「住宅取得関連税制」に関する申告が多くあったことです

 

 

「住宅取得関連税制」で最も多く使われているのは「住宅ローン控除(所得税)」、次に「住宅取得等資金の非課税(贈与税)」です。

 

 

近年相次ぐ税制改正により、住宅を取得した場合の優遇措置は拡充しています。
その一方で、制度が複雑、かつ証明書類も多岐に渡っていて、適用の可否を判定するのに私たちもひと苦労です。ふらふらふらふらふらふら

 

 

適用を受けられるかどうかは、各国税局のホームページにチェックシートがある(全ての国税局が作成しているわけではありませんが、参考にはなるでしょう)ので、事前に十分に検討することをお勧めします。

 

 東京国税局

資産税(相続税、贈与税、財産評価及び譲渡所得)関係チェックシート(平成28年分)

名古屋国税局

平成28年分 住宅借入金等特別控除チェック表

 

 

特に注意を要するのが、いわゆる中古住宅(戸建・マンション)を取得した場合です。取得する中古住宅によって、適用の可否が分かれたり、控除や非課税の限度額が異なったりします。

 

 

「住宅借入金等特別控除(所得税)」「住宅取得等資金の非課税(贈与税)」の適用の対象となる中古住宅は、

 

 

@取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの

A@に該当しない場合、以下のいずれかの証明書が発行されるもの

・耐震基準適合証明書

・住宅性能評価書で耐震等級1から3に該当するもの

・既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類

 

 

簡単に言うと、

 


・古い住宅(築20年以上、マンションは築25年以上)は原則対象外

・例外として、第三者から耐震性が証明されたものは制度の対象とする

 

 

となります。

 

 

中古住宅を購入し、これらの制度の適用を受けようとする方は、制度の対象となるかどうか不動産業者に事前に確認するようにしてください。
築25年以上のマンションは、証明書がなければ制度の適用が受けられません。そうすると、住宅ローン控除が受けられない、又は思わぬ贈与税が課されることになります。

 

 

 

 

 

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相続税:あなたが支払ったその債務、控除ができません!

vol.151(since 07/01/07〜) 

17/01/19

 

 

前回に引き続き債務控除の話です。

 

 

被相続人の財産と債務を誰が引き継ぐか?ということについては、

 

@遺言がある場合→遺言に従う

A遺言がない場合→相続人全員の遺産分割協議により定める

 

のが基本的な考え方です。

 

ところで相続税の計算上、一定の債務及び葬式費用は財産の価額から控除することができますが、これらの債務を誰が負担するかによって必ずしも控除できない場合があります。

 

例えば、

 

・被相続人A(父)
・相続人B(長男)、受遺者C(孫)

・遺言で、次の通り財産及び債務を相続・遺贈することとしている。
 B 財産2000万円(預金)、 債務等500万円
 C 財産2000万円(不動産)、債務等  0万円

 

 

この場合、相続税の計算は、

 

課税価格 B(2000万円ー500万円)+C(2000万円ー0円)=3500万円

基礎控除 3000万円+600万円=3600万円

∴課税価格3500万円−基礎控除3600万円<0万円となり、相続税は生じません。

 

 

ではAの遺言で、次の通り財産及び債務を相続・遺贈することとしていた場合はどうでしょう

 

 

 B 財産2000万円(預金) 、債務等  0万円
 C 財産2000万円(不動産)、債務等500万円

 

この場合、相続税の計算は、

課税価格 B(2000万円ー0万円)+C(2000万円ー0円)=4000万円

基礎控除 3000万円+600万円=3600万円

∴課税価格4000万円−基礎控除3600万円=400万円となり、相続税が生じてしまいます。

 

ポイントは、「相続人以外の者が支払った債務等は、相続税の計算上控除できない」ということにあります。

 

上記の例では、C(孫)は相続人ではありません。よってCが支払った被相続人の債務等500万円は、Cが遺贈により取得した財産の価額2000万円から控除することができないのです。

 

 

例外は、上記の遺言が民法上の「包括遺贈」に該当する場合、Cが支払った債務は債務控除ができることとなります。しかし実務上、日本では「包括遺贈」の遺言を目にすることはあまりありません。また、書かれた遺言が民法上の「包括遺贈」「特定遺贈」どちらに該当するのかを判断するのに難しいことがあります。

 

 

生前に遺言を準備するケースが増えています。それはとても望ましいことですが、相続人以外の孫などに財産を遺贈する場合は、事前に相続税法上の取り扱いに充分留意する必要があります。

 

 

 

 

 

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相続税:その分割では、債務控除ができません!

vol.150(since 07/01/07〜) 

16/12/09

 

 

相続税の額は、納税義務者全員が取得した財産の価額から、債務・葬式費用の額を控除(=課税価格)し、基礎控除をマイナスした金額に課されることになります。

 

 

例えば、

 


取得財産の価額 5000万円

債務・葬式費用 1000万円

相続人A、B2人が財産を均等に取得・負担

 

 

この場合、相続税の計算は、

 

 

課税価格

(相続人A2500万円ー500万円)+(相続人B2500万円ー500万円)=4000万円

基礎控除

 3000万円+600万円×2=4200万円

 

 

∴課税価格4000万円−基礎控除4200万円≦0となり、相続税はかからないことになります。

 

 

ところが財産の価額が同じであっても、財産の分け方や、誰が債務・葬式費用を負担するかによっては、相続税が生じてしまうことがありますがく〜(落胆した顔)

 

 

上記の例で、相続人A,Bが以下のように財産債務を取得・負担したとします。

 

 

A 取得財産ゼロ、債務・葬式費用1000万円を全額負担

B 取得財産5000万円、債務・葬式費用の負担なし

 

 

この場合、相続税の計算は、

 

 

課税価格

(相続人A0円)+(相続人B5000万円ー0円)=5000万円

基礎控除 

 3000万円+600万円×2=4200万円

 

 

∴課税価格5000万円−基礎控除4200万円=800万円となり、相続税が生じてしまいますもうやだ〜(悲しい顔)

 

 

ポイントは、「債務控除は、各相続人が取得した財産の範囲でしかできない」という点にあります。

 


上記の場合、相続人Aは財産を取得していないので、Aが債務・葬式費用を支払ったとしても相続税の計算上控除できない、ということになります。

 

 

「全財産から借入金をマイナスすると基礎控除以下。だから、うちには相続税はかからない。」
この考え方は正確ではありません。財産の分け方や債務の負担方法によっては、相続税が課税されます。遺産分割協議の際は十分に留意する必要があります。

 

 

 

 

 

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相続税:預金通帳を捨てないで!

vol.149(since 07/01/07〜) 

16/11/11

 


 被相続人が亡くなって四九日を過ぎる頃から、遺族の方は遺品の整理を始めます。
 被相続人が几帳面な方の場合、過去の預金通帳を、解約済みのものを含め全て保管している、というケースもあります。

 

 

 遺族の方にとっては、これらの通帳は必要のないものです。最新の通帳は諸々の手続き上とっておく必要がありますが、他の通帳は不要な遺品と一緒に処分してしまおう、ということになります。

 


 しかし、もし被相続人の相続税申告が必要な場合、その通帳は捨てないでくださいexclamation×2
 実は、とても重要な資料なのです。

 

 

 相続税は、基本的に相続開始日=死亡日の所有財産に対して課されます。死亡日の財産目録を作成し、その一つ一つの財産を評価し、課税価格を計算することになります。

 


「預金」という財産の価額は、「相続開始日現在の預金残高」により評価します。よって過去の通帳がなくても、最新の通帳残高証明書があれば残高は把握できます。

 

 

 しかし、例えば以下のような情報は、残高証明書だけではわかりません。

 

 

1 死亡日前に、多額の現金を引き出した。


  亡くなる1カ月前の預金残高   1000万円
  亡くなる日までに引き出した金額 △800万円
  亡くなった日の預金残高      200万円

  

  この場合、「預金」という財産の価額は200万円です。
  しかし1か月間に引き出した800万円のうち、死亡日に手元に残っていた金額は、「現金」として、相続税の課税財産となります。

 

 
2 子や孫名義の通帳に「振込」を行っている。

 
  このような場合、生前に贈与を行っている可能性があります。「3年以内の生前贈与加算」の対象となるかどうか、また「贈与税申告」の必要の有無を判断することになります。


  また、振込先の通帳がいわゆる名義預金(=名義は異なるが、実質的には被相続人の預金)の可能性もあります。「名義預金」と判断されれば、被相続人の相続財産として取り扱うことになります。

 


このほか、

 


・多額な預金の入出金(他者に対する貸付金や借入金がないか)
・配当金の受取(株式を所有しているのではないか)

 

 

など、被相続人の預金履歴から推定される情報は数多くあるのです。

 

 

 「なぜ会計事務所はそんな細かい資料を要求するのか?」と思われるかもしれません。実は、税務調査があった場合、税務署は必ず被相続人の預金履歴の調査を行うからです。税務署は、金融機関から職権で被相続人の預金履歴を入手することができます。そして、入手した情報をもとに、上記のような事実がないかどうかを確認するのです。

 

 

 「預金履歴を見たって、被相続人がお金をどのように動かしていたかなんて知らないし、答えられない。」
 その通りです。知らないことは知らない、でいいのです。しかし、事前に預金履歴を入手して可能な限り検討を加えた、ということが申告書の信頼性を高めるのです。かつ、税理士が作成する書面添付にそのことが記載されていれば、調査省略の可能性も高まるでしょう。

 

 

 なお、過去の通帳がない場合は、相続人が各金融機関から預金履歴を取り寄せることになります。取り寄せるには手数料が生じます。金融機関によっては決して安くない金額がかかるようです。

 

 相続人の皆さま、相続税申告が終わるまでは、預金通帳は処分しないようお願いします。

 

 

 

 

 

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マイナンバーは、相続税から始まっています。

vol.147(since 07/01/07〜) 

16/09/12

 

 

昨年大騒ぎしていた「マイナンバー」。
税務の分野では、今年の1月から静かにスタートしています。

 

 

会社の経理部門の方は、「従業員」や「家賃・謝金などの支払先」からのマイナンバーの収集を、既に始めているのではないでしょうか?

 

 

来年の1月31日までに、支払調書給与支払報告書の提出と共に、大量のマイナンバーを税務署や市町村に提出することになります。取扱いに充分注意しながら、事前準備を進めていきましょう。

 

 

ところで、個人の方は既に税務署へのマイナンバー提出が始まっています。
その具体的なケースが、「所得税の準確定申告書」「相続税申告書へのマイナンバー記載です。

 

 

国税庁HP

「相続税・贈与税に関するFAQ」

「年の中途で死亡した方の平成28年分準確定申告をする場合の記載例」

 

 

ポイントは、以下の通り。

 

 

<相続税>

平成28年1月1日以後相続開始分の相続税申告書から、申告書にマイナンバーの記載が必要

・原則として、相続人全員のマイナンバーが必要(被相続人のマイナンバーは不要)

・相続人のマイナンバーには、本人確認書類(=通知カード・マイナンバーが記載されている住民票など)の写しの添付が必要

 

 

<所得税(準確定申告)>

平成28年分の準確定申告書から、申告書にマイナンバーの記載が必要

・原則として、相続人全員のマイナンバーが必要(被相続人のマイナンバーは不要)

・相続人のマイナンバーには、本人確認書類の写しの添付が必要

被相続人の控除対象配偶者・扶養親族・事業専従者のマイナンバーの記載が必要(本人確認書類の写しの添付は不要)

 

 

ちなみに、相続税の申告期限は相続開始後10か月以内、準確定申告は4カ月以内です。
上甲会計で受託している相続税申告のお客様も、既にマイナンバーを関係者の皆様から預かり、関係書類とともに税務署に提出しています。

 

 

「相続税申告」や「準確定申告」は、そうたびたび行うものではありません。それだけに忘れやすく、また収集や保管に細心の注意を払う必要があります。

 

 

 

 

 

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大自然の中を走る北海道の鉄道は、本州にはない独特の寂寥感があります。

この台風で甚大な被害を受け、残念ながら多くの路線で廃線が進むと言われています。

<遺産分割>代償分割という方法

vol.144(since 07/01/07〜) 

16/06/14

 

 

 相続が発生して、被相続人が遺言を残していない場合、基本的には相続人全員で「遺産分割協議書」を作成し、誰がどの財産を取得するかを決定することになります。

 

 

そして、被相続人の主な遺産が「不動産」の場合、この「分割」が難しくなることがあります。

 

 

例えば、

 


被相続人=父
相続人   =子2人(長男二男 母は既に死亡)
財産      =土地建物(父の自宅 評価額5000万円)
     現金預金(1000万円)

 

 

とします。

 

 

この遺産を、子2人が法定相続分である2分の1ずつ取得します。

すると、その分割方法は、

 

 

<パターン1>
土地建物→共有持分各2分の1ずつ取得
現金預金→それぞれ500万円ずつ取得

 

 

となります。

 

 

この分け方のメリットは「公平に2分の1ずつ取得している」という点です。取得財産の割合については、兄弟どちらからもケチはつかないでしょう。

 

 

しかし「不動産の共有」は、後々問題を引き起こす可能性があります。

 

 

後日不動産を処分したいと考えた時に、兄弟2人の意見が一致するとは限りません。兄が「売却してキャッシュにしたい」と考えても、弟が「売却不要」と考えれば売却できません。

 


この状態が続き、将来兄や弟に相続が発生すると、もう手のつけようがありません。兄や弟の持ち分はそれぞれの「配偶者」や「子」のものとなり、不動産はますます細分化され、かつ縁が薄い人同士の共有状態となっていくのです。

 


こうして不動産は「塩漬け」となり、不良財産となっていきます。

 

 

このようになるのを避けるため「不動産は一方が単独相続する」という方法があります。

 


<パターン2>
土地建物→兄が取得
現金預金→弟が取得

 

 

このように分割すれば、パターン1のような懸念は避けられます。
しかしこの場合「取得財産の価額が違いすぎる」という問題が生じる可能性があります。上記の例では、兄が5000万円の財産を取得し、弟が1000万円しか取得しないのであれば、弟は納得でしないでしょう。

 

 

この問題を解決するのが「代償分割」という方法です。

 

 

代償分割とは、「現物財産を取得した相続人が、他の相続人に対して債務(=相続すべき財産の価額と現物財産の価額との差額)を負担する」分割の方法をいいます。

 

 

代償分割によった場合、以下のようになります。

 

 

<パターン3>
土地建物→兄が取得(5000万円)
     代わりに、弟に代償金を支払(現金△2000万円)
     (取得した財産の価額 5000万円ー2000万円=3000万円)
現金預金→弟が取得(1000万円)
     兄より代償金を受取(現金2000万円)
     (取得した財産の価額 1000万円+2000万円=3000万円)

 

 

一方が不動産を取得したいと考えているのに対し、もう一方は取得の意思がない場合、この方法は有効です。
この例では、兄は望み通り不動産を取得し、弟はその価格差に相当する現金を得ることができるのですから、お互いに文句はないでしょう。

 

 

ただし「代償分割」には、以下の点に注意が必要です。

 


1 遺産分割協議書に何の記載もなく兄から弟に現金を渡すと、単なる「贈与」となり多額の贈与税が発生します。この現金が代償分割に伴う「代償金」であることを証するため、代償金の金額、支払方法等を遺産分割協議書に記載する必要があります。

 

 

2 上記のケースでは、兄は代償金である2000万円を、自分が今持っている自分の財産、又は将来自分が稼ぎ出す財産の中から用意しなければなりません。つまり、現物財産を取得した人に支払能力がなければ代償分割はできないこととなります。

 

 

被相続人の主な遺産が「不動産」の場合、「代償分割」は相続を円満に解決する有効な方法のひとつです。ただし、ひとつ手続きを間違えると法務上・税務上大きな問題を生じることとなります。代償分割を検討するなら、弁護士・司法書士・税理士等の専門家に十分相談することをおすすめします。

 

 

 

 

 

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相続空家の3000万円控除

vol.143(since 07/01/07〜) 

16/05/18

 

 

平成27年の相続税増税以後、上甲会計には相続税申告に関するご相談・ご依頼が大変増えています。

 


その中で、「親が自宅で一人暮らしをしていて、亡くなった後空き家になっている」というケースがあります。これが、意外と多いのです。

 


「一人暮らしの親の自宅」は、通常、子が相続します。しかし子は既に自分の生活の本拠があるので、「親の自宅」は子の生活には必要のない財産になります。

 


必要がなければ売却してしまえばよいのですが、子には「親の自宅」を手放せない(又は、手放したくない)何らかの事情があったりします。そうすると、特に利用するわけでもなく、また特に処分を急ぐ必要もないのでそのままにしておく、ということになります。

 


これがいわゆる「空き家問題」です。

 

 

建物は、適切に管理しなければたちまち傷んでしまいます。庭はあっという間に雑草だらけ。空き家であることは近所にすぐにわかります。ゴミが投棄されたり、火災や盗難のリスクも増大し、そのまま放置することは大変危険です。

 


この「空き家問題」解消のために創設されたのが、この制度です。

 

 

  「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設」(国税庁HPより)

 


以下の土地建物を譲渡した場合、譲渡所得から3000万円を控除する、というものです。

 

<対象財産>
・被相続人が一人暮らしをしていた家屋で、昭和56年5月31日以前に建築されたもの、及びその敷地

・家屋付きで譲渡する場合、家屋が耐震基準を満たす必要がある

・家屋が耐震基準を満たさない場合、耐震リフォームを行うか、更地にして譲渡する

 


<要件>
・相続開始から譲渡時まで空き家であったこと(=貸付・居住等を行っていない)

・譲渡対価が1億円以下であること

・相続の開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したこと

 (EX.平成28年5月1日相続→平成31年12月31日までに譲渡)

 

 

なお、適用期限(譲渡期限)は平成31年12月31日、相続税の取得費加算制度との選択適用となっています。

 

 

譲渡所得税は、(譲渡代金ー取得費ー譲渡費用)×20.315%(長期譲渡の場合)で計算します。
自宅を親がずっと以前に購入した場合や、親が祖父から相続により取得した場合、一般的に「取得費」は極めて少額です。この「譲渡所得」から3000万円を控除できれば、税負担はかなり圧縮されます。

 


要件はいろいろあり、かつ、期間限定の制度ですが、該当する空き家を所有している方は処分するきっかけにしてもよいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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新宿から御殿場線に乗り入れる、特急ロマンスカー「あさぎり」。

今となっては、レアな存在になりました。

相続は、国境を超える。

vol.141(since 07/01/07〜) 

16/03/15

 


この数年、「国際相続」と呼ばれるジャンルの仕事に携わっています。

 


「国際相続」というと、

 


・日本在住の、外国人の相続
・外国在住の、日本人の相続

 

というイメージがあると思いますが、当事務所で取り組んでいるのは、

 

・外国在住の、外国人(ただし、元日本人)の相続

 

といった事案です。

 

 

つまり、

 

・両親は日本人で、日本で出生
・戦後、日本で外国人(米国人)と知り合い、結婚して渡米
・米国に帰化→終生米国に居住→米国で死去

 

という流れです。

 

 

この方々は、日本国籍を離脱して米国籍を取得しているのですから、「米国に居住する米国人」です。
相続や遺産分割、相続税申告などの手続きは、当然に米国法に従って行われます。

 

 

ところがこの方々には、日本在住の日本人の血縁者(兄弟など)が存在します。
そうすると、米国で行われる相続手続きの過程で、日本人の相続人(又は受遺者)が財産を取得することがあります。

 

 

そこで、日本人の相続人が取得した財産について、日本の相続税申告及び納税の可能性が生じるわけです。

 

 

ここで、様々な問題が生じます。

 

 

・そもそも、申告期限はいつなのか?
・納税義務者は誰なのか?
・課税価格はどのように計算するのか?
・法定相続人は誰で、何人なのか?etc

 

 

また、税の問題以前に、

 

 

・日本の相続税申告に当たり、どのような資料を収集すればいいのか?
・米国の資料収集を、誰に依頼すればいいのか?

 

 

といった問題があります。

 

例えば、米国には戸籍制度がありません。「被相続人に子がいるかどうか」といった基本的な事柄を確認しようとしても、公的な証明書類が存在しないため、別の方法や別の書類によらなければならないのです。

 

 

実は最大の問題は「資料が日本語ではない」ということだったりするのですがふらふらふらふらふらふら

 

 

条文や通達などをあたっても、明確に定めている部分はほとんどありません。日本の相続税法は、このようなケースは想定していない、といっていいでしょう。法令解釈や、署との事前打合せで事務を進めていくほかありません。

 

 

もちろん当事務所も、単独で事務を進めていくことはできません。
翻訳のプロや、国際相続に強い司法書士等と連携しながら事務を進めていくことになります。

 

 

人と財産のボーダーレス化は、今後ますます進行します。
相続の在り方も、時代とともに変わっていく予兆を感じます。

 

 

 

 


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京急が、一足早い春を運んできました。

 

 

相続税増税元年。その影響は・・・・・

 vol.140(since 07/01/07〜) 

16/02/08

 

 

平成27年は、相続税の増税が行われた年でした。
基礎控除の引き下げによる課税ベース(=課税対象者)の拡大により、納税義務者は1.5倍になるがく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)
マスコミは大騒ぎでしたね。
でも、「大騒ぎするほどの影響が、本当にあるのかな?」と個人的には思っていました。

 

 

改正から1年を経て・・・・・やはり「影響あり」と言わざるを得ません。ふらふらふらふらふらふら

 

 

昨年以降、上甲会計で相続税申告をお手伝いしたお客様の多くは、

「改正前であれば、基礎控除以下で申告不要」

という方々でした。

 

 

基礎控除40%減(改正前:5000万円+法定相続人の数×1000万円→改正後:3000万円+法定相続人の数×600万円)の影響をまともに受けてしまったことになります。

 

 

ところが、そのほとんどが

「税額は0円だが、申告は必要」

というケースでした。

 

 

つまり、

 


・相続税の二大特例である「配偶者の税額軽減」「小規模宅地(居住用)の評価減」を適用した結果、税額は0円になった。

・しかしこれらの特例を適用するためには、

@申告書を提出すること

 A原則として、申告期限内(=相続開始日より10か月以内)に遺産が分割されていること

 が要件となるため、結果として期限内申告を行った。

 

 

というケースです。

 

 

「配偶者の税額軽減」「小規模宅地の評価減」の制度は、多くの方がご存知です。
そしてこれらの方々の多くは、
「特例を適用すれば、おそらく自分には相続税はかからない」
ということまで理解されています。

 

 

しかし、特例を適用するためには

「10か月以内の分割」と「0円申告書の提出」

が必要であることはまだまだ知られていません。

 

 

そのため、

 

 

司法書士に依頼し、遺産分割協議を進めて分割が確定した

→司法書士から、「相続税の申告が必要かもしれない」と告げられた

→申告期限直前に、相続税申告の依頼が来た

 

 

といったケースが上甲会計では増加していますふらふらふらふらふらふら

 

 

たとえ遺産分割が完了していたとしても、相続税申告書を作成するためには相当の時間を要します。
不動産の現地調査や、過去の預金取引状況の確認、特例の適用可否の判断など、税額の有無にかかわらず確認すべきことは多々あります。
資料を集めるだけでも、時間はあっという間にすぎてしまうのです。

 

  

まずは「遺産分割は10か月以内」ということを頭に入れてください。

そのうえで「もしかしたら、相続税の申告は必要だろうか?」と迷ったら、早めに税理士に相談することをお勧めします。

早めの相談が、安心の相続につながります。

 

 

 

 

 

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陸羽東線の愛称は「奥の細道ゆけむりライン」。

沿線には「温泉のデパート」の異名を持つ、鳴子温泉が控えます。

出国税。売ってもないのに課税される?!

vol.136(since 07/01/07〜) 

15/10/06

 

 

前々回の記事で、

 

 

[近年、課税庁は「個人の財産」の把握に力を入れていて、特に「富裕層」に対する課税を強化しようとしています。
 「相続税の増税」「所得税の増税」「マイナンバー」・・・・・等々、全てこの流れに沿ったものといえます。]

 

 

として、「国外財産調書」「財産債務調書」の提出制度が創設されたことをお伝えしました。

 


今回のテーマである「国外転出時課税制度」も、そのど真ん中にある制度と言えます。

 

 

 国税庁ホームページ「国外転出時課税制度のあらまし」

 

 

なお、制度は既に平成27年7月1日施行されています。

 

 

以下、制度の概要です。

 

 

1 国外転出時課税


 1億円以上の有価証券等を有している一定の居住者(=転出日前10年の間に、国内に5年超居住していたことがある者)が、国外転出をする場合、国外転出の時に、その有価証券等を譲渡したものとみなして、その「含み益」に所得税が課される。

 

2 国外転出(贈与)時課税
 

 1億円以上の有価証券等を所有している一定の居住者が、非居住者である親族にその有価証券等の全部又は一部を贈与した場合、贈与の時に、その有価証券等を譲渡したものとみなして、その「含み益」に所得税が課される。

 

3 国外転出(相続)時課税

 

 1億円以上の有価証券等を所有している一定の居住者が死亡し、非居住者である相続人がその有価証券等の全部又は一部を相続した場合、死亡の時に、被相続人がその有価証券等を譲渡したものとみなして、その「含み益」に所得税が課される。

 

 

あえて乱暴に言えば、

 

 

 「株をたくさん持っている人が、その株を国外に持ち出す場合は、売ってもないのに、売ったことにして税金をかける」

 

 

ということになりますちっ(怒った顔)ちっ(怒った顔)ちっ(怒った顔)

 


なおこの制度には、

 

 

@ 納税猶予(届出書の提出や担保提供などにより、5年間納税を延期する

 

A 減額(以下のようなケースでは、更正の請求により税金の還付を受ける

 ・5年以内に帰国した場合
 ・出国後、実際に売却した時に、出国時よりも価格が下落している場合
 ・納税猶予期間終了時に、出国時の時価が下落している場合
   


等の措置があり、必ずしも直ちに納税したり、払いすぎになったりするとは限りません。
しかしながら、これらの納税猶予や減額の措置を受けるためには、それぞれの提出期限までに繁雑な手続きを行う必要があります。

 

 

この制度創設の趣旨は、「富裕層が、国外に財産を持ち出すことにより相続税を節税する」ことへの防止策と思われます。
しかし、例えば国外でビジネスを展開しているような人が、たまたまこの制度に引っかかてしまう可能性はあるのです。

 

 

証券会社に口座を持ち、かつ海外との行き来をしているような方は、自分に出国税の適用がないかどうか、この機会に確かめてみましょう。

 

 

 

 

 

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国外財産調書と、財産債務調書。

vol.134(since 07/01/07〜) 

15/08/11

 

 

 近年、課税庁は「個人の財産」の把握に力を入れていて、特に「富裕層」に対する課税を強化しようとしています。
 「相続税の増税」「所得税の増税」「マイナンバー」・・・・・等々、全てこの流れに沿ったものといえます。

 


 そして、また新たな制度として「国外財産調書」「財産債務調書」の提出制度が創設されました。

 

 

国税庁HPリンクに、チラシが掲載されています。

 

「国外財産調書制度のあらまし」


「「財産債務調書」の提出制度が創設されました」

 

 

概要を記すと、

 

 

@国外財産調書

 

<提出義務者>
 居住者で、その年の12月31日において、計5000万円を超える国外財産を所有している人

<提出期限>
 翌年の3月15日

<適用開始年>
 平成26年より(既に開始されている!)

<優遇規定・罰則規定>
・期限内提出をした後、所得税・相続税等の申告漏れが生じたとき
加算税を5%軽減
・期限内提出をしなかった場合、又は財産の記載がない場合で所得税の申告漏れが生じたとき
加算税を5%加重
・期限内提出をしなかった場合、又は偽りの記載をした場合
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 

 

A財産債務調書

 


<提出義務者>
 その年の合計所得金額が2000万円を超える人で、かつ、その年の12月31日において計3億円以上の財産(又は計1億円以上の国外転出特例対象財産)を所有している人

<提出期限>
 翌年の3月15日

<適用開始年>
 平成27年より(平成28年3月15日が最初の提出期限)

<優遇規定・罰則規定>
・期限内提出をした後、所得税・相続税等の申告漏れが生じたとき
加算税を5%軽減
・期限内提出をしなかった場合、又は財産の記載がない場合で所得税の申告漏れが生じたとき
加算税を5%加重

 

 

となります。

 

 

 大きな特徴は、「優遇規定・罰則規定」があることです。
 申告漏れがあった場合の「罰金」の金額をプラス・マイナスするという具体的なメリット・デメリットを設けるあたり、より多くの人の個人財産を把握したいという課税庁の意図を読み取ることができます。

 

 

 また、それぞれの記載方法を見ると、財産の一つ一つを詳細に記載するよう求められているのがわかります。
 そもそも「財産の価額」をどう計算するのか?
 具体的には、国税庁HP内にあるFAQなどを参照して計算することになりますが、煩わしい事務作業が増えるのには違いありません。

 

 

 なお、今まで合計所得金額が2000万円を超える人は「財産及び債務の明細書」の提出をする必要がありましたが、この制度は廃止され、「財産債務調書」制度に引き継がれることになります。

 

 

 課税庁のターゲットは、「所得のある人」から「財産のある人」に変化している、といえます。
 会社オーナーの方は、「自社株式」や「役員借入金」も財産になります。優遇規定や罰則規定がある以上、「知らなかった」ではすまされません。

 

 

 これらの調書の提出義務があるかどうか、確定申告時にあわてないよう今のうちに確認しておきましょう。

 

 

 

 

 

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北陸シリーズNO.3  「のと鉄道」 能登と横浜をつなぐ連ドラ「まれ」の舞台です。

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住宅取得資金の非課税&居住用財産の3000万円控除

vol.130(since 07/01/07〜) 

15/03/05

 

 

 3月になりました。確定申告もいよいよ佳境です。
 以前の記事でも書いたとおり、期限後申告は加算税・延滞税が課されます。
 くれぐれも期限内(3月16日(月)まで)に申告しましょうダッシュ(走り出すさま)ダッシュ(走り出すさま)ダッシュ(走り出すさま)

 

 

 さて上甲会計では、今年も様々な申告のお手伝いを致しました。
 その中には、納税額が「0円」のものも少なくありません。
 納付も、還付もない。それなのに、何故申告しなければいけないのか?
 それは「特例」を適用しているからです。

 


 簡単に言うと、

 


「本当は税金がかかるんですけど、特例を適用すればかかりません。でも、特例を適用するためには確定申告をしてください。」

 

 

ということです。

 

 

近年ポピュラーなのは、この2つです。

 

 

1住宅取得資金の非課税(贈与税)

 


 金銭の贈与を受けた場合は、贈与税が課されます。
 しかし住宅を取得する際に、親や祖父母から金銭の贈与を受けた場合、「一定の要件」を満たし、「一定の書類」を添付して申告書を提出すれば、贈与を受けた金銭で住宅の取得に充てたもののうち500万円まで(省エネ住宅等の場合、1000万円)は非課税となります。

 

 

2居住用財産の3000万円控除(譲渡所得)

 


 不動産を売却した場合、通常は譲渡益に対して譲渡所得税20.315%(所得税+住民税)が課されます。
 しかし自宅及びその敷地を売却した場合、「一定の要件」を満たし、「一定の書類」を添付して申告書を提出すれば、譲渡益から3000万円が控除されます。

 

  

この「一定の要件」「一定の書類」がくせ者ですがく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)
適用誤りを防ぐため、国税局ではチェックシートを用意しています。

 

 

東京国税局ホームページ

居住用の家屋や敷地(居住用財産)を売却した場合の特例チェックシート

平成26 年分「住宅取得等資金の非課税」のチェックシート

 


申告する際は是非活用してください。

 

 

 

 

 

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毎年この時期に、仲間の先生から贈られてくるスイートピー。

確申終われば、春がやって来る!

相続対策と、相続「税」対策の違い。

vol.125(since 07/01/07〜) 

14/10/16

 

 

 相続の相談が、急増(激増)していますグッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)

 

 

 ここ1,2カ月のことですが、クライアントを訪問すると、決まって話題になるのが「相続」に関する相談です。

 


 その理由は、平成27年からの増税です。税制改正(=基礎控除の引下げ)を受けて、雑誌やTVの特集、電車の車内広告に至るまで、巷では相続に関する情報があふれています。

 

 
 なぜここまで話題になるのでしょうか?

 

 

 国税庁の統計によると、1年間で亡くなる人は約100万人、うち相続税申告が必要な人は約4万人。
 これが改正後は、1.5倍の約6万人となると見込まれていますグッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)
 しかもこれは全国平均なので、地価が高い首都圏に住む人は約2倍になる、とも言われていますがく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)

 

 

 「もしかして、自分にも相続税がかかるのかしら?」ということで、世間の関心を集めているわけです。

 

 

 では、改正の概要を整理してみましょう。主な点は、以下の2つです。

 

 

@基礎控除の引下げ

 改正前:5000万円+1000万円×法定相続人の数

 改正後:3000万円+ 600万円×法定相続人の数

 

A最高税率の引上げ

 改正前:10%〜50%

 改正後:10%〜55%

 

 

 このうち、巷で騒がれる原因は@です。
 例えば、被相続人=父、相続人=母・長男・長女の3人、といったケースの場合の基礎控除は、
 

 改正前:8000万円→改正後:4800万円

 

 となり、相続時の(財産−債務・葬式費用>基礎控除の4800万円)の場合、相続税が課税されることになりますがく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)がく〜(落胆した顔)

 

 

 例えば、横浜市内に1戸建の自宅を持ち、数千万円の預金がある場合、基礎控除が8000万円ならかからないが、4800万円だとどうでしょうか?ちょっと不安になりますよね。

 

 

 では、より身近になる相続税に、私たちはどう付き合ったらよいのでしょうか?

 

 
 私が相続の相談を受けた際、まず最初にクライアントに申し上げているのは相続対策相続「税」対策は、そもそも違うものだ、ということです。

 

 

 基礎控除が引き下げられたとはいえ、相続税申告が必要な人は全体の約6%。
 もちろん、シミュレーションや税理士への相談をしたうえで、相続税がかかる見込の人は、相続「税」対策が必要となります。

 

 

 ではシミュレーションの結果、「どうも相続税はかかりそうにない」といった場合はどうでしょうか?
 この場合でも、相続対策は必要となります。

 

 

 相続対策とは、あなたが受け継ぎ、育てた財産を、いかにスムースに次の世代に引き渡すか、ということです。
 

 

 その目的は、相続人間の、あなたの財産の分配に関するもめごと(=争族)を避けることにあります。

 

 

 具体的には、「遺言」や「贈与」、あるいは「生命保険金の活用」などにより、あなたの意志で、あなたが承継させたい財産を、あなたが承継させたい人に、譲り渡す方法を考えます。

 

 

 「相続対策」を何もしない場合、あなたの財産は相続人間の遺産分割協議により分割されることになります。協議に加わることができるのは相続人のみです。たとえあなたが相続人以外の人、例えば孫や、世話になった長男の嫁などに財産を分け与えたり、財産を寄付したいと考えていても、これらの人にその権利は基本的にはありません。

 

 

 自分の財産の行方は、自分の意志で決めてください。言い出しにくいことだとは思いますが、残される者の方からするとそれ以上に聞きにくいものです。次の世代への責任と考え、専門家に相談のうえで実行してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

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10月4日、我が南武線にE233系デビュー!

(マニアックなネタですみませんm(_)m)
 

「第2の贈与の方法」相続時精算課税とは?

vol.121(since 07/01/07〜) 

14/06/06NEW

 

 

 前回は「贈与税が、安くなる???」と題して、贈与税の改正についてお伝えしました。
 それに関連して、贈与税の改正ネタをもうひとつ。

 

 

 相続時精算課税の適用範囲が拡大されます!(国税庁HP)

 

 

 具体的には、平成27年1月1日以後の贈与より

 

 

 贈与者:65歳以上→60歳以上

 受贈者:20歳以上の推定相続人→20歳以上の推定相続人及び孫

 

 

 と、精算課税がより使いやすくなったといえます。

 

 

 しかし、「そもそも、相続時精算課税って何?」と思っている方も多いと思います。
そこで、「第2の贈与の方法」である、相続時精算課税の概要について触れてみましょう。

 

 

 前回の記事でも触れた通り、贈与の方法には

 

@ 暦年贈与
A 相続時精算課税贈与

 

 の2種類がありますが、一般的には贈与税の申告は@の方法により行われています。

 

 

@の方法では、

 贈与税額=(その年に贈与を受けた金額−基礎控除110万円)×10%〜50%(平成27年より55%)の累進税率

となります。基礎控除は年110万円で、贈与税は年単位で計算します。

 

 

他方、Aの方法では、

 贈与税額=(その年までに贈与を受けた金額の累計額−特別控除2500万円)×20% 

となります。

 

 

 例えば、父と長男との間でAの方法を選択した場合、父から長男への贈与の金額の累計額が2500万円になるまでは無税で贈与が可能です。累計額が2500万円を超えた場合、超えた年から、越えた金額の20%の贈与税が課税されることになります。

 

 

 これだけだと、Aの方が確実に有利ですよね。相続時精算課税の特徴は、その名の通り、「この制度を選択して贈与した財産は、贈与者の相続の時に、相続財産として相続税の課税対象とする」ことにあります。

 


 例えば、父から長男に、この制度を利用して生前に3000万円贈与したとします。贈与税は(3000万円−2500万円)×20%=100万円。父の相続発生時には、この3000万円は、長男が相続により取得したものとして、相続財産に加算して父の相続税の計算をすることになります(長男が支払った贈与税は、長男が父の相続時に支払う相続税額から控除されます)。

 


 つまり、この方法により贈与しても、相続税は減らないので、基本的には相続「」対策にはなりません。

 


 では、どのような場合にこの制度を選択すればよいのでしょうか?
 

 

 最も有効なのは、自分の特定の財産を、特定の子や孫に、自分の意思で生前にあらかじめ贈与したい、といったケースです。さらに言うと、相続税がかからないと見込まれる場合は確実に有利となります。

 

 

例えば、

・自分の経営している会社の自社株を、後継予定者に贈与する
・自宅の土地建物を、同居している長男に贈与する

などが考えられます。

 

 

 なお、この制度には、

 

 

・選択するためには届出書の提出が必要

・いったん選択したら以後変更できない

・特定の贈与者と受贈者毎に選択可能

・相続時に相続財産に加算される金額は、相続時の価額ではなく、贈与時の価額となる

 

 

などの注意点があります。

 

 

選択に関しては、充分に理解し、検討する必要があります。
そんな時は、どうぞお知り合いの税理士にご相談ください。

 

 

 

 

 

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 乗り鉄シリーズ 特急しらさぎ

(名古屋〜北陸)

贈与税が、安くなる??

vol.120(since 07/01/07〜)

 

 

14/05/08

 

 

 5月になりました。
 4月の消費税増税に際しては、思ったほどの混乱や、駆け込み需要の反動はなかったようです。
 私達のクライアントにも大きな影響はなかったようで、ホッとしています。

 

 

 さて、消費税の次は、相続税・贈与税の増税ですもうやだ〜(悲しい顔)
 もうご承知のことと思いますが、平成27年1月1日以後の相続・贈与より、相続税・贈与税が増税となります。
 

 

  国税庁HP 「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」

 

 

 主な改正点は、

 

  ・基礎控除の引下げ(相続税)
  ・最高税率の引上げ(相続税・贈与税)

 

 など、基本的には「増税」ですが、改正により若干緩和される部分もあります。
 今回は、「直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税率の緩和」についてスポットをあてます。

 

 贈与税には、

 

@暦年贈与
A相続時精算課税贈与

 

の2種類がありますが、一般的には贈与税の申告は@の方法により行われています。

 

 

@の方法によれば、

 贈与税額=(贈与を受けた金額−基礎控除110万円)×10%〜50%(平成27年より55%)の累進税率

となります。

 

 

 この「累進税率」が、平成27年1月1日以後の贈与より、

 

@直系尊属(親・祖父母)から20歳以上の者(子・孫)への贈与
A一般の贈与

 

の2種類に区分され、贈与する金額によっては、@の方がAより低い税率で贈与ができるようになりましたわーい(嬉しい顔)

 

 

 仮に祖父が孫に現金を贈与した場合、平成26年と平成27年とではどのくらい税額が異なるのか、シミュレーションしてみましょう。

 

 

@ 200万円を贈与した場合

 

  平成26年→9万円 
  平成27年→9万円(±0)

 

A 500万円を贈与した場合

 

  平成26年→53万円 
  平成27年→48.5万円(−4.5万円)

 

B 1,000万円を贈与した場合 

 

  平成26年→231万円 
  平成27年→177万円(−54万円)

 

となります。

 

 

 以上の通り、親から20歳以上の子や、祖父母から20歳以上の孫に対し、財産(現金とは限りません)を贈与する場合、その価額が概ね500万円以上であれば、今年よりも来年に贈与した方が贈与税が少ないと言えます。

 


 贈与の目的は「生計の援助」「世代間の資産移転」「相続対策」などがありますが、そもそも非課税であるものや、教育資金・住宅取得資金の非課税制度を活用できるケースもあります。

 


 大事なのは「何のために贈与をするのか?」ということ。その目的に沿って、今回の改正を有効に使っていきましょう。

 

 

 

 

 

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ピアノ、始めました!

巷で話題の、教育資金贈与を考える。

13/07/01

 


 最近、クライアントへ巡回監査に訪問すると、かなりの確率でこの質問を受けます。

 

 

 「上甲さん、教育資金の贈与税の非課税って、どうなの?」

 


 信託銀行のコマーシャルや営業攻勢?もあって、皆様の関心の高さがうかがえます。

 

 

 制度の概要については、

 

 

 国税庁「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」

 

 文部科学省「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について」

 

 

 が詳しいので、リンクを参照してください。

 ここでは、私なりの視点で、この制度の特徴を考えてみたいと思います。

 

 

特徴1 そもそも「一括」でなければ非課税

 


 扶養義務者(=配偶者、直系血族、兄弟姉妹など)が、必要な都度、生活費又は教育費として贈与する財産は、もともと非課税とされています。

 

 

 例えば、孫の入学金を、入学時に祖父が直接支払った場合、贈与税は課税されません。
 ただし1年分の学費を、一括して孫の預金口座に振り込む、といった行為は課税対象となるので、この制度を利用すれば非課税、ということになります。 

 

 

特徴2 相続対策としての贈与

 


 相続税が発生する見込みのある人が、生前に財産を贈与すればその人の財産は減少し、相続税も少なくなります。

 

 

 しかし相続開始前3年以内に、「相続により財産を取得する者」が贈与により取得した財産は、相続財産に加算して相続税を計算する(ただし、支払った贈与税は控除できる)こととされているため、贈与後3年以内に贈与者が死亡した場合の相続財産は贈与前と同じ金額になり、節税効果は生じないことになります(生前贈与加算)。

 

 

 今回の制度を利用した場合、この生前贈与加算の適用はありません。
 
例えば、親が子に教育資金として500万円を一括贈与し、3年以内に贈与者が死亡しても、その500万円は親の相続財産に加算する必要はなく、贈与税もかからないことになります。

 

 

 ここで注意が必要なのは、生前贈与加算は「相続により財産を取得する者(=相続人及び遺言で財産を受ける人)」にのみ適用されるという点です。
 逆を言うと、もともと相続により財産を取得しない者(例えば、遺言のない孫やひ孫)には適用されません。

 

 

 例えば、祖父が孫に500万円の贈与を行い、3年以内に祖父が死亡しても、祖父の相続財産に孫の贈与財産を加算する必要はなく、孫は500万円に対する贈与税を支払えばよい、ということになります。
 

 

 まとめると、「相続により財産を取得しない者」への贈与は、
@今回の制度を利用した場合    生前贈与加算なし、贈与税非課税
A通常の贈与(暦年贈与)の場合  生前贈与加算なし、贈与税課税
となります。

 

 

特徴3 教育資金として払い出すかどうかは、金融機関が判断
 

 

 この制度は、金融機関と受贈者(又は贈与者)が「教育資金管理契約」を締結し、贈与した金銭を金融機関が管理する、という点に特徴があります。

 

 

受贈者は、

@学費等を一度立替払いし、領収書を金融機関に提出して口座から引き出す
A必要な都度口座から引出を行い、年に一度金融機関に領収書を提出して精算する

 の、どちらかの方法を選択します。

 

 

 非課税となる「教育資金」については、法令等で定められていますが、中には判断に迷う支出があると思われます。
 それが「教育資金」であるかどうかを判断するのは金融機関であり、場合によっては金融機関や支店によって対応が異なる、などということもあるかもしれません。
 

 

特徴4 30歳で、課税の可能性

 

 

 教育資金管理契約は、受贈者が30歳になった場合、又は口座の残高がゼロになった時に終了します。

 

 

この時点で、

 贈与を受けた金額−教育資金として使用した金額

がプラスになる場合贈与税が課税され、例えば、以下のようなケースが考えられます。

 

 

@30歳で、使い残しの金額がある場合
A残高はゼロになったけど、教育資金として使わなかった金額がある場合 

 

 

 つまり、「非課税」とは贈与時点での話であって、教育資金として使用しなかった分は後で贈与税を払う、ということになります。

 

 

 今回の制度は、「世代間でキャッシュを移転し、経済を活性化させる」という政府の方針のもと、鳴り物入りで創設されましたが、「教育資金」という縛りがあるため、実際にどの程度活用されるかは未知数です。

 

 

 ともあれ、「そろそろ孫に財産を」と考えていた方にとっては、魅力があるのも事実です。せっかく贈与をするのであれば、孫や子供たちに感謝されるよう、うまく制度を活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

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相続「税」対策より、「相続対策」をお考えください。

10/04/12

 


 前回の記事でお知らせした通り、3月27日に積水ハウスのセミナーが行われました。

 

 

 当日は好天にも恵まれ、またロケーションが良い(山下公園の目の前 パスポートセンターの入っているあのビルです)こともあったせいか、多くのお客さまが来場されました。

 


 私のセミナーのテーマは「平成22年度税制改正に伴う資産継承の方法」だったのですが、会場はほぼ満席。皆様の熱心に話を聞く様子に私も熱が入り、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。

 

 

 さて、このセミナーで私が一番伝えたかったこと、それは相続「税」対策ではなく、「相続対策」を行ってください、ということです。

 

 

 私が考える「望ましい相続=資産継承」とは、

 

 

1 亡くなった方の志(こころざし)を活かす
2 受け継いできた財産(土地、会社など)を、後を継ぐべき人に継いでもらう
3 相続人間で揉め事がない
4 相続税が、遺産の現金預金の範囲内である

 

 

 その結果、関係者みんなが「よかったね」と言い合える。そんな資産承継を行うために、生前に対策を講じるのが「相続対策」であると私は考えます。

 

 

  税制は毎年のように変わります。相続「税」対策として実行したことが、税制改正によって効果が全くないものになってしまう、というのは珍しいことではありません。相続「税」対策は重要ですが、あくまでも「相続対策」の一つとして考えるべきです。

 

 

 遺言や贈与を活用することなどにより、相続への対策は事前に充分に準備をすることができます。相続「税」対策にとらわれることなく、ぜひ「相続対策」をお考えください。

 

 

 

 

 

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社長の会社の株価は、いくらですか?

08/09/14

 

 

 私たちの業界では、今盛んに「経営承継」「事業承継」という言葉が飛び交っています。

 

 そのきっかけは、国の新しい施策にあります。今年の10月1日に、いわゆる「中小企業経営承継円滑化法」が施行されます。中小企業の廃業が増加する昨今の状況を踏まえ、スムースに経営者の交代が行われるように、民法・融資・税制それぞれの側面から制度として後押ししようというものです。

 

 

 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案 概要(PDF)

 

 制度の内容についてはここでは触れませんが、具体的なターゲットは、
 

 

 「オーナー社長の持つ自社株式を、いかにしてスムースに後継者に譲り渡すか」

 

 ということにあります。

 

 そこで、オーナー社長がまず知らなければいけないのは、
 

 

 「自分の会社の株式の値段は、いくらなのか」

 

 ということです。

 

 経営者の方なら、誰でも「うちの会社の株価は、だいたいこれくらいだろうな」という認識をお持ちだと思います。そしてその「予想価額」は、私たち専門家が複雑怪奇(?)な計算式を用いて算出した「評価額」と、大体イコールである場合もあります。(経営者の勘はさすがだな、と、そのとき私は感じるのです。)

 

 しかし、たとえ「大体イコール」の金額であっても、私たちが実際に株価を算定し、お客さまに評価額を提示すると、どのお客さまも一様に目の色が変わります。「頭の中で、自分で想像している」ことと、「実際に数字として、第三者に見せられる」こととは、明らかに違うのです。

 

 そして、なぜこの評価額になるのか、評価額を下げるためにはどうすればよいか、株を贈与するタイミングは?方法は?等々、経営者の思考回路はフル回転し、いろいろな話に発展します。

 

 経営承継や事業承継は、ひとつのきっかけにすぎません。中小企業の経営者にとって、今の自社株式の評価額を知ることは、会社を経営するうえで極めて大事な作業であり、もっと言うと、会社の経営そのものである、と言えます。 この機に是非、顧問税理士に自社株式の評価を依頼しましょう!

 

 

 

 

 

 

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「借地権の評価と課税の実務」を出版しました。

07/03/28


 このたび当事務所所長、山口昇の著書「実務家のための 借地権の評価と課税の実務」が出版されました。
(本の詳細は株式会社TKC出版ホームページをご覧ください。)


s-shakutiken.jpg 「借地権等に係る税務は、契約の当事者が個人同士であるか、法人同士であるか、法人と個人間の取引であるかによって、課税関係が複雑に入り組み、また、頻繁に行われる取引でもないことから、税の実務家にとっては厄介な税務の一つです。」(著者まえがきより)


 タイトルやまえがきからもお分かりのとおり、この書は税の「実務家」、つまり私たち税理士向けの専門書です。かといって学術書ではなく、またQ&Aでもありません。所長の35年に及ぶ税理士業の「現場」での体験を積み重ねた、実際の現場で「使うための本」です。



 税務の世界には借地権のように、目に見えなくてわかりにくい税務特有の処理があり、その取引の方法や、評価の仕方によって納税者に思わぬ税金が発生することがあります。
 その解決の道しるべを、専門家である私たち税理士向けに解説したのが本書です。本書を「使いこなす」ことにより、私たちはお客様に事前にわかりやすくお伝えし、お客様が落とし穴に入り込まないようより万全のサポートをしていきます。


 借地権に関して理解を深めたい方、どうぞこちらからご購入ください。


 また借地権や自社株、相続税や不動産運用などに関して不安や疑問をお持ちの方、山口会計は35年の間、数多くのシミュレーションや相続税の申告業務を行っており、実績とノウハウを持っています。どうぞこちらからお問い合わせください。





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