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vol.150(since 07/01/07〜)
16/12/09
相続税の額は、納税義務者全員が取得した財産の価額から、債務・葬式費用の額を控除(=課税価格)し、基礎控除をマイナスした金額に課されることになります。
例えば、
取得財産の価額 5000万円
債務・葬式費用 1000万円
相続人A、B2人が財産を均等に取得・負担
この場合、相続税の計算は、
課税価格
(相続人A2500万円ー500万円)+(相続人B2500万円ー500万円)=4000万円
基礎控除
3000万円+600万円×2=4200万円
∴課税価格4000万円−基礎控除4200万円≦0となり、相続税はかからないことになります。
ところが財産の価額が同じであっても、財産の分け方や、誰が債務・葬式費用を負担するかによっては、相続税が生じてしまうことがあります
上記の例で、相続人A,Bが以下のように財産債務を取得・負担したとします。
A 取得財産ゼロ、債務・葬式費用1000万円を全額負担
B 取得財産5000万円、債務・葬式費用の負担なし
この場合、相続税の計算は、
課税価格
(相続人A0円)+(相続人B5000万円ー0円)=5000万円
基礎控除
3000万円+600万円×2=4200万円
∴課税価格5000万円−基礎控除4200万円=800万円となり、相続税が生じてしまいます
ポイントは、「債務控除は、各相続人が取得した財産の範囲でしかできない」という点にあります。
上記の場合、相続人Aは財産を取得していないので、Aが債務・葬式費用を支払ったとしても相続税の計算上控除できない、ということになります。
「全財産から借入金をマイナスすると基礎控除以下。だから、うちには相続税はかからない。」
この考え方は正確ではありません。財産の分け方や債務の負担方法によっては、相続税が課税されます。遺産分割協議の際は十分に留意する必要があります。
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