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相続税:期限前に相続不動産を売却する場合の注意点

vol.207(since 07/01/07〜) 

21/09/03NEW

 

 

前回は「相続税:一部分割」というテーマで、

 


ところで遺産分割については、その必要性から「被相続人の財産のうち一部を先行して分割する」という方法を採る場合があります。例えば、

・配偶者の生活資金を確保するため、預金を直ちに分割する必要がある

・相続税の納税資金とするため、不動産を早期に売却する必要がある

といったケースです。

 

と書きました。

 

このうち預金の分割は、預金に関する遺産分割協議書を作成し、金融機関で手続を行うことにより相続人が取得することになるので、その取得した相続人について税務上の問題は格別ありません。


これに対して不動産の売却は、取得した相続人の譲渡所得となります。
以下、注意点を挙げましょう。

 

 

1 納税資金は「税引き後の金額」で考える 

 

 

被相続人の不動産を売却するのは、その不動産を相続により取得した相続人です。
そうすると、その相続人の不動産売却に係る手取り額は



譲渡代金−譲渡費用−譲渡所得税・住民税※

 ※譲渡所得税・住民税=(譲渡代金-取得費-譲渡費用)×20.315%(被相続人の取得日〜相続人の譲渡年の1月1日までの所有期間が5年を超え、かつ特例の適用がない場合)



となります。 

譲渡代金を相続税の納税資金に充てる場合は、税引き後の「手取り額」で考える必要があります。



2 相続税の取得費加算の特例 



相続により財産を取得した人が、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までにその財産を譲渡した場合、支払った相続税のうち一定額をその譲渡所得の金額の計算上「取得費」に加算できるというものです。
申告期限前に売却する場合は当然にこの要件を満たします。多額の相続税を支払うようなケースでは、譲渡所得の圧縮が期待できるので忘れないようにしましょう。



3 共有者間の意思統一

 

 

不動産の売却資金を相続税の納税資金とするためには、まず不動産を先行して遺産分割する必要がありますが、この時点ではまだ全体の協議がまとまっていないことが多いです。そうすると、不動産は「とりあえず」法定相続分により、相続人全員が共有で取得することが多くなります。
この共有不動産を売却するためには共有者全員が売買契約書に署名押印することになりますが、相続人間の考え方や生活環境等の違いにより、不動産の売却価格やタイミングなどなかなかまとまらないことがあります。その結果、期限までに売却できなかったり、相場より低い価格で売却してしまったりすることがあり得ます。
不動産を共有で取得、売却する場合は、まず@納税に必要な「手取り額」はいくらなのかAそのためには最低いくらで売却すればよいのかB申告期限までに現金化するためにはいつまでに売却すればよいのか、を予め決めておき、スムースに手続きが進行するよう相続人間で事前に意思統一しておくことが重要です。

 

 

 

→カテゴリ:相続&贈与

 

 

 

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