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持株会社は、本当に事業承継対策となるのか?(1)〜概要〜

vol.186(since 07/01/07〜) 

19/12/13NEW

 

 

1 意義

 

 

持株会社とは、他の会社(事業会社)の株式を大量に保有することにより、その事業会社の事業活動を支配することを目的とする会社のことを言います。

 

 

持株会社を大別すると、

 

 

@自らは事業を行わず、子会社からの配当収入を原資として運営するパターン(純粋持株会社)

A自ら事業を行いつつ、子会社を支配するパターン(事業持株会社)

 

 

に分けられます。
また持株会社は、通常複数の子会社を傘下に置きますが、子会社が1社のみの場合もあります。

 

 

2 メリット・デメリット

 

 

持株会社の最大のメリットは、複数の事業会社の経営権を簡便に支配できる、という点にあります。株主は持株会社の株式を保有することにより、持株会社が支配する複数の事業会社を間接的に支配することが可能です。

 

 

デメリットは、法人税額等の増加が考えられます。
複数の子会社のうちに利益を計上する会社と損失を計上する会社があった場合、これらの会社の損益は法人税の計算上通算されません。親会社である持株会社と子会社の損益も同様です。
よってこのようなケースでは、グループ会社全体での納税額は単一会社の場合と比べて増加します(このデメリットは、連結納税を導入することにより回避することが可能ですが、その手続き及び財務処理には多大なコストを生じます)。

 

 

3 方法

 

 

単一の会社を、親会社(持株会社)−子会社(事業会社)の形態とするには、主に3つの方法があります。

 

 

@   持株会社を設立し、現事業会社の株式を借入金により買い取る


 

最も簡便な方法です。
新設持株会社への出資は、既存事業会社の株主が行うのが通常です(これにより、オーナーは会社の所有を継続することになります)が、特に制約はないので誰が出資しても構いません。
よって事業承継を考慮するのであれば、新設持株会社への後継者の出資比率を高めることにより、将来の承継をスムースに行うことが可能となります。
ところで、新設持株会社は既存事業会社の株式購入資金が必要です。多くの場合、この購入資金は借入金(金融機関又はオーナー等)により手当てすることになります。

 

 

A 株式移転


 

株式移転とは、既存事業会社の発行済株式の全部を新設持株会社に取得させ、既存事業会社の株主に新設持株会社の株式を交付する方法を言います。
この方法により、子会社(事業会社)の株式のすべてを親会社(持株会社)が保有することとなります。また親会社(持株会社)の株主構成は、既存事業会社の株主構成と同一になります。

 

 

B 新設会社分割(分社型分割)

 

 

新設会社分割とは、既存事業会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を、分割により設立する会社に承継させることを言います。
具体的には、既存事業会社が新たに会社を設立し、既存事業会社の資産及び負債の全部または一部を新設事業会社に承継させ、新設事業会社はその発行する株式を既存事業会社に割り当てます。この結果、既存事業会社は新設事業会社の株主たる親会社(持株会社)となり、新設事業会社は事業を行う子会社となります。なお持株会社(=既存事業会社)の株主構成に変更はありません。


 

4 中小企業への適用

 

 

この持株会社(ホールディング・カンパニー)方式は、多くの上場企業で採用されています。その目的は、複数の事業を事業会社毎に分離して採算及び経営責任を明確化し、事業のスクラップ&ビルドを迅速に行うことにあります。

 

 

ところで近年、この持株会社方式が中小企業でも導入される例が見られますが、その主目的は上場企業とは全く異なるものです。

 

 

それはオーナーの相続税対策です。

 

 

持株会社方式にすると、オーナーが所有する自社株式の評価額が減少する、という理由から、一部の大手税理士法人が、金融機関等を通じて中小企業に対し積極的に勧めている手法です。



では持株会社方式にすると、本当に自社株式の評価額は下がるのでしょうか?
次回以降検証してみましょう。

 

 

 

→カテゴリ:実務編・自社株式

 

 

 

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中小企業・個人企業の事業承継がうまくいかない理由

                  

 高度経済成長期に創業した社長の年齢が70歳を超え、引退のタイミングが訪れています。
 
ところが中小企業・個人企業の場合、社長が会社を続ける意思があるにもかかわらず、やむを得ず廃業してしまうパターンが後を絶ちません。

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