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vol.228(since07/01/07~)
24/02/07
書面添付制度については、当ブログを開始した当初に「書面添付をしましょう。」の記事でその意義を記載し、また「調査に効く!書面添付」のコーナーを設けて随時記事をアップしてきました。
今回は、その様式等の一部改正について記します。(いずれも、令和6年4月1日以降に提出する申告書等より新たな様式を使用することとなります。)
1 タイトルが変わります。
(旧)税理士法第33条の2第1項に規定する添付書面
↓
なぜタイトルが変わるのか、意図はよくわかりません。しかしこれにより今まで「書面添付」「添付書面」と呼んでいたこの書面が「記載書面」とか「書面記載」とか呼ばれるようになるのでしょうか???
2 様式が変わります。
「5総合所見」欄が追加されました。
記載要領には「「5総合所見」欄には、申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項の総合的な所見を記載してください。」と書かれています。
具体的に何を求めているのかは不明ですが、旧様式の記載要領に「「5その他」欄には、申告書の作成における所見等を記載してください。」とあるので、基本的には「5その他」が「5総合所見」になったものと考えられます。
そうすると「6その他」欄には何を書くのでしょうか?
記載要領には「「6その他」欄には、1(略)欄から5(略)欄までの各欄に記載した事項以外の事項で、記載すべき事項(例えば、申告書の作成に関し、計算し、整理した事項以外の事項で個別的・特徴的である事項や、税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度、納税者の税に関する認識、申告書作成に当たって留意した事項など)があれば記載してください。」とあります。
この中で注目すべきは「税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度」で、いわゆる「月次巡回監査」を行っているのか、「年一」なのか、そもそも関与形態は「監査=納税者が記帳を行った会計帳簿書類を税理士が確認する」なのか、「記帳代行=税理士が会計帳簿の作成を行っている」なのか等々、の記載を求めているものと考えます。
当然に、これらの情報は意見聴取や税務調査実施の判断材料になるでしょう。
3 資産税用の様式が新たに制定されます。
今まで資産税専用の様式はなく、上記1と同じ様式を使用していました。相続税・贈与税等の書面添付は、令和6年4月1日以降この様式によることになります。
1の様式との主な違いは、
・「3計算し、整理した主な事項」欄中「(2)(1)のうち顕著な増減事項」「(3)(1)のうち会計処理方法に変更等があった事項」がない
・上記の代わりに「(2)(1)のうち個別的・特徴的な事項」がある
とタイトルが変更されましたが、記載要領を比べても1の様式と大きな差異はありません。
それ以上に注目すべきは、記載要領に1と同じく、「「6その他」欄には、(略)(税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度、納税者の税に関する認識(略))があれば記載してください。」とある点です。
これは法人税等とは異なり、相続税で言えば「納税者の帳簿書類の監査の頻度」とは具体的には「相続関係者との打合せの時期及び回数」に当たるものと考えられます。
つまり税理士が被相続人の財産の状況を把握するためにどの程度相続関係者と接触したかを知ることにより、1と同様課税庁が意見聴取や税務調査を実施するための判断材料にするものと思われます。
財務省「令和4事務年度 国税庁実績評価書」によると、税理士が関与した申告書の件数のうち書面添付があったものの件数の割合は法人税10.0%、相続税23.4%となっています。
今回の改正も、課税庁の税理士に対する期待の表れでしょう。税理士にとって「申告書に、書面添付を実施する」という業務は今後ますます重要になってくるものと考えます。
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vol.211(since 07/01/07〜)
22/01/26
久しぶりに書面添付制度について、ここ3年間の国の運用状況と当事務所の取り組みについてます記します。
〜書面添付制度については、このブログ開設当初の記事<書面添付をしましょう>に記載してあるのでそちらを参照してください〜
1 国の運用状況(国税庁令和2事務年度国税庁実績評価書より引用)
税理士法第33条の2に規定する書面の添付割合(税理士が関与した申告書の件数のうち、書面添付があったものの件数の割合)
所得税 1.4% → 1.4%
相続税 20.1% → 22.2%
法人税 9.5% → 9.8%
相続税は着実に増加しています。署別にみると30%を超えているところもあり、「相続税申告書への書面添付」は既にスタンダードになっているといっていいでしょう。
法人税は微増、といったところでしょうか。近年は、融資の際書面添付の記載内容を参考にするといった金融機関も増加しその有用性が高まっていて、私たち税理士がもっともっと取り組まなければいけない分野と思います。
2 当事務所書面添付実施関与先の意見聴取・税務調査の状況(平成30年1月−令和2年12月)
意見聴取 税務調査
所得税 0件 0件
相続税 0件 0件
法人税 4件 0件
法人税については、この3年間で計4件調査連絡がありましたが、いずれも意見聴取のみで調査省略となりました(これ以外に、書面添付を実施していない関与先に対する税務調査が2件ありました)。
所得税・相続税については、税務調査及び意見聴取はありませんでした。
なお当事務所は、当事務所で作成・提出する全ての申告書に対し書面添付を実施することを目標としています。
この3年間の実績は、相続税=100%、法人税=98%、所得税=不動産所得・事業所得・譲渡所得100%です。
クライアントの安心のため、ひいては税務行政の効率化に資するため、書面添付制度の更なる普及を推進してまいります。
vol.175(since 07/01/07〜)
19/01/09
中小企業が金融機関から融資を受ける際、常にネックとなるのが「担保」と「個人保証」です。
以前の記事でも書いたとおり、日本の金融機関の中小企業に対する融資は、実質的には「会社」にではなく「経営者」個人に対して行われているといえます。
そして事業承継により会社の代表者が交代しても、先代経営者から後継者への保証人の変更や、先代経営者の個人資産の担保解除に金融機関は簡単には応じてくれません。
これが、事業承継の大きなネックになっています。
そこで平成25年12月、「経営者保証ガイドライン」が公表されました。このガイドラインは、中小企業が融資を受ける際に、経営者保証や担保を要不要とする基準を定めたものです。
あくまでも「中小企業・経営者・金融機関共通の自主的なルール」ですので、強制力はありません。このガイドラインに対応して保証や担保を付すかどうかは、個々の金融機関の対応によります。
経営者保証に関するガイドラインHP→http://hosyo.smrj.go.jp/index.html
上記HPによれば、
・新規借入時・既存保証契約見直し時 -経営者保証なしで新規融資を受けることができる可能性があります。
・経営者保証の解除ができる可能性があります。
とあります。
また、ガイドラインの適用を受けるため、中小企業に求められる経営状況として「法人と個人の分離」を掲げています。
具体的には、
融資を受けたい企業は、役員報酬・賞与・配当、オーナーへの貸付など、法人と経営者の間の資金のやりとりを、「社会通念上適切な範囲」を超えないようにする体制を整備し、適切な運用を図る。
とあり、さらに
・融資を受けたい企業は、自社の財務状況を正確に把握し、金融機関などからの情報開示要請に応じて、資産負債の状況や事業計画、業績見通し及びその進捗状況などの情報を正確かつ丁寧に説明することで、経営の透明性を確保する。
・情報開示は、公認会計士・税理士など外部専門家による検証結果と合わせた開示が望ましい。
としています。
このルールには強制力がないことから、実際に活用されるのかどうか疑問視されていたのですが、昨年あたりから金融機関の具体的な取り組みが始まりました。
1 横浜市信用保証協会
2 商工中金
うち2の 「対話型当座貸越」は、TKC会員事務所(上甲会計も会員事務所です)の関与先企業向け商品で、
・月次巡回監査・書面添付を実施していること
・中小会計要領チェックリストを作成していること
・税理士・関与先企業・商工中金の3者が、事業概況及び見通しについて年1回対話(会議)を行うこと
などを条件に、無担保・無保証で借入枠を設定する、というものです。
「当座貸越」や「対話」を前面に打ち出している点で、ユニークな商品と言えます。
以前(主に、バブル前)の金融機関は、企業が一時的に資金が必要な時には柔軟に融通してくれたし、また企業の状況や社長の経営方針を充分に理解してくれていたように思います。
そう考えると、これは企業の発展育成に貢献するという金融機関の本来の姿に立ち返った商品と言えます。さらに無担保・無保証なのですから、むしろ進化系かもしれません(その代わりに、企業には財務情報の開示及び税理士が作成した一定の証明書類の提示が求められます)。
無担保・無保証融資に対する、金融機関の更なる取り組みに期待します。
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vol.156(since 07/01/07〜)
17/06/13
先月、2017年になって初めての意見聴取がありました。
今回意見聴取の対象となったクライアントは、会社創業以来約15年のお付き合いになります。
もちろん、毎年書面添付を行っています。
この会社には、過去2回の意見聴取がありました。
初回(8年前) 意見聴取→調査移行(印紙貼り忘れ1件のみで、他に修正なし)
前回(4年前) 意見聴取→調査省略
そして今回は・・・・・無事、調査省略となりました
会社は創業以来ほぼ順調に成長していて、売上高・経常利益とも増加傾向にあります。
当然、所轄税務署の調査官の目に留まります。だからこそ、定期的(4年毎)に税務署から接触があるのでしょう。
しかし8年前の調査の結果や、書面添付の記載内容、意見聴取の質疑応答の結果などから、「現段階では、調査の必要なし」と判断されたものと思われます。
印象的だったのは、社長の反応です。
意見聴取終了後、私は社長に「今回は調査かもしれませんよ」と伝えました。
その時の、社長のユウウツそうな顔
何か問題を抱えていたわけではありません。会計・税務について、適時適正に処理していることは過去の調査等で証明済み。その点において、毎月巡回監査を実施している私たちも自信を持っています。
にもかかわらず、さえない社長の顔
よく考えれば、当たり前のことです。調査に来られてうれしいわけがありません。
まず、時間が拘束される。社長が「調査に対応する」ということは、「その間通常業務ができない」ということです。社長が調査対応で拘束される時間、それは会社にとって明かな営業損失となります。
そして何といっても大きいのはメンタル=気持ちの問題です。適時適正にきちんと処理しているとはいっても、社長がすべての取引を把握しているわけではありません。また、過去の会計処理の全てを記憶しているはずもありません。
「何を聴かれるんだろう?」「あれはどうだったっけ?」ついつい気になってしまうのは当然のことでしょう。
電話で「社長、今回は調査省略となりました!」と告げると、社長の声と一緒に安堵した気持ちが伝わってきました。
その後、所轄税務署長名で「意見聴取結果についてのお知らせ」(いわゆる「調査省略通知」)が顧問税理士である私宛に送付され、一連の手続きは終了しました。
会社経営を続ける以上、税務調査は避けられません。しかしクライアントが適時適正な会計処理を行い、会計事務所が月次巡回監査を行ったうえで税務申告書を作成し、書面添付を継続する。このサイクルが継続することにより、クライアントは安心して、かつ自信をもって、会社経営に専念できることになります。
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vol.152(since 07/01/07〜)
17/02/16
平成25年より、税務署が税務調査を行う際の手続きが法定化され、
・事前通知(調査の開始日時・開始場所・調査対象期間などを事前に通知する)
・調査結果の説明と修正申告等の勧奨
が行われるようになりました。
これらの手続きは今までも「慣習」として行われていたのですが、今後は「法律」に則って必ず行うことになったのです。
ところがこの改正の後、予期せぬ事態が生じました。
「事前通知があった後、調査開始前までに多額の修正申告を提出して加算税を免れる」
という事案が増加したのです。
調査開始前までに修正申告書を提出すれば、基本的に加算税は課されません。
法改正によって調査前に事前通知が必ず行われるようになったため、納税者は調査開始日を事前に把握できるようになりました。
それを悪用し、当初申告でとりあえず少ない所得で申告・納付しておいて、事前通知があったら調査開始日前に急いで修正申告書を提出して本来の税金を追加で払う。それに対する罰金はなし、という事案のようです。
もし意図的に過少申告しているとしたら、言語道断と言わざるを得ません
そこで平成28年税制改正で、以下のようになりました。
(国税庁HP)加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし
1.調査通知を受けて修正申告等を行う場合の加算税の見直し
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/kasan.pdf
簡単に言うと、
「調査通知(=調査を行う旨、調査対象税目、調査対象期間の通知)」以後「調査開始日」までに修正申告書が提出された場合であっても、今後は加算税の対象とします、ということです。
ただし、その加算税率は通常の税率より軽減されています。
ところでこの改正は、書面添付制度には影響はあるのでしょうか?
以前の記事「書面添付のメリット→加算税が、課されない。」で述べたとおり、書面添付申告書に対して調査しようとする場合は、
顧問税理士への意見聴取→調査省略
又は 意見聴取→事前通知→調査開始
という流れになります。
そして、意見聴取後直ちに修正申告書が提出された場合は、加算税が課されないことになっています。
意見聴取は、必ず「調査通知」の前に行われます。改正後も、「調査通知」前に提出された修正申告書には、加算税は課されません。
ということは、「意見聴取」後「調査通知」前に提出された修正申告書には、今まで通り加算税が課されないことになります。
つまり書面添付決算書に対する税務調査が行われる場合、通常の税務調査より一足早く、「税理士への意見聴取」というタイミングでその事実が知らされることになります。
そして意見聴取後修正申告すべき事項を発見した場合、速やかに(=調査通知前に)申告書を提出することにより、加算税を支払わなくてよいこととなります。
結論は、「通則法改正後も、書面添付のメリットは変わらない」ということになります。いやむしろ「通則法改正後、書面添付のメリットはより高まった」と言っていいでしょう。
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vol.148(since 07/01/07〜)
16/10/25
以前の記事で、
・相続税の増税に伴い、申告が必要な人は改正前の1.5倍になること
・国税当局は、税理士が関与している相続税申告書には書面添付を積極的に行ってほしいと要請していること
をお伝えしました。
では、相続税の書面添付は現時点でどのくらいされているのでしょうか?
平成26事務年度国税庁実績評価書によれば、相続税の書面添付割合(税理士が関与した申告書のうち、書面添付が付されていた申告書の割合)は、
平成25年度 8.9% → 平成 26年度 11.8%
と、着実に増加しています
また、この割合は法人税の書面添付割合(平成26年度 8.4%)よりも高くなっていて、税理士が相続税申告をする際この制度を積極的に活用している様子がうかがえます。
書面添付が付されている相続税申告書はまだ10件に1件程度です。しかし以前の記事で述べたとおり、書面添付には調査省略・調査の負担軽減などの大きなメリットがあります。実際に「上甲会計では、相続税申告書に書面添付をしてくれるんですか?」という問い合わせもあり、「書面添付」という言葉が知られつつあるようです。
平成27年から基礎控除が下がった影響で、上甲会計でも相続税申告のお手伝いをする機会が増えました。皆さまには「相続税が身近になった」という現実を認識していただくとともに、「書面添付」という言葉を是非覚えておいてください。
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vol.139(since 07/01/07〜)
16/01/08
2016年、とても暖かい年明けとなりましたね。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、上甲会計の顧問先の特徴として
・税務調査が極めて少ない
(本音では「ない」と言いたいが、誇大広告になってしまうので・・・・・)
・その理由は、「書面添付」を実施しているからである
・「書面添付」をしていれば、調査の前に「意見聴取」という手続きがあり、その結果「調査省略」になる可能性がある(本音では「かなり高い」と言いたいが、誇大広告になってしまうので・・・・・)
ことは、ブログやHPで何度もお伝えしている通りです。
その顧問先に対する「税務調査」と「意見聴取」ですが、昨年末、久しぶりに2件ありました。
「久しぶりに」というのは、
税務調査→2年3月ぶり
意見聴取→1年1月ぶり
だったからです。
その結果は・・・・・
①A社(税務調査)
・関与5年
・書面添付なし
・税務調査の結果→是認(修正なし!)
・税務署から、更正決定等をすべきと認められない旨の通知書(いわゆる「是認通知」)が送付された
②B社(意見聴取)
・関与2年
・書面添付あり
・意見聴取→調査省略(調査なし!!)
・税務署から、意見聴取結果についてのお知らせ(いわゆる「調査省略通知」)が送付された(この書面は、顧問税理士に対して発行されます。)
となりました。
この結果は、顧問先自身できちんと日々会計処理を行っていること、及び顧問税理士がその確認を適正に行っていることを、税務署側から評価されたことに他なりません。顧問税理士としては嬉しい限りです。
しかし誰よりも喜んだのは(当たり前ですが)、顧問先の社長であり、また直接経理に携わっているスタッフの方々です(多くの中小企業の場合、それは社長の奥様だったりします)。
ところで、税務調査を受ける「デメリット」とは何でしょうか?
実際に税務調査を受けることとなれば、社長と経理スタッフはその対応のため時間を拘束され、本来の仕事ができなくなってしまいます。現地調査が数日間で終わっても、その後の対応に時間を取られることになります。
そして、それ以上に「調査に気を取られる」ということが、会社の通常業務に影響します。調査が正式に終了するまでの間、「税務署から何か言われるんじゃないか」という「気持ちの引っ掛かり」が、社長と経理スタッフの頭の片隅から離れません。
時折「たまには税務署に来てもらったほうがいい」という社長さんもいらっしゃいます。「当社の会計が正しいかどうか、税務署に見てほしい」ということなのでしょう。もしそう考えているとしたら、それは社長が自分の会社の会計を把握しておらず、また経理スタッフを信用していないことにならないでしょうか?
顧問税理士の仕事は、会社の会計が正しく処理されていることをチェックし、社長に報告し、社長の相談相手として社長の経営をサポートすることにあります。「是認通知」や「調査省略通知」は、その会計処理の過程が、税務の点から見て適正であることのいわば「お墨付き」です。A社もB社も、安心して、かつ自信をもって、会社を経営できることになります。
なお、今まで書面添付を行っていなかったA社も、税務署の要請もあって、来年度から書面添付を実施することになりました。これにより、今後の税務調査は省略される可能性が生じることとなります。
vol.133(since 07/01/07〜)
15/07/08
以前の記事で紹介した通り、平成27年から相続税の増税が行われています。
「増税」の主なものは、基礎控除の引き下げです。
この引き下げにより、相続税の申告が必要な人は、改正前の1.5倍になると言われています。
この影響を直接受けるのは、もちろん、私たち納税者ですが、その大量の申告書を受け付ける税務署側も事務が増大することが予想されます。
そこで最近、国税当局は私たち税理士に対してある働きかけをしています。
それは、私たち税理士が関与している相続税申告書には、書面添付を積極的に行ってほしい、というものです。
なぜ当局は、私たち税理士にこのような要請をするのでしょうか?
このブログで何度も取り上げている通り、書面添付のメリットは、
・調査の前に税理士から意見聴取を行うことにより、調査省略の可能性が高まる
・意見聴取後調査に移行した場合でも、効率的な調査が期待できる
点にあります。
これはもちろん、私たち納税者側のメリットです。
裏を返すと、税務署側のメリットは
・税理士が書面添付をする申告書は信頼性が高いと考えられることから、調査省略を前提として審査ができる(=調査対象の絞り込みが可能)
・意見聴取後調査に移行した場合でも、効率的な調査が期待できる
どうでしょう?
実は書面添付のメリットは、私たち納税者も、税務署側も、同じところにあるのです(もちろん、これは相続税に限ったことではありません)。
さらに当局は、
「意見聴取後、自主的に修正申告書が提出された場合、加算税は課さない」
旨を明確にして、書面添付がされた申告書に対し、可能な限り調査を省略する意向を打ち出しています。(→詳細はこちらの記事)
税理士に相続税申告を依頼する際は、「安心して相続税申告をしたいので、書面添付をしてください」と依頼しましょう。
きっと、信頼関係が深まりますよ!
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vol.132(since 07/01/07〜)
15/05/07
以前の記事でお伝えした通り、書面添付のメリットは、
・調査の前に税理士から意見聴取を行うことにより、調査省略の可能性が高まる
・意見聴取後調査に移行した場合でも、効率的な調査が期待できる
点にあります。
この「書面添付のメリット」が、新たにひとつ明確化されました。
「法人課税部門における書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続等について」の一部改正について(事務運営指針)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/kaisei/121219_2/01.htm
ポイントは、
「意見聴取後自主的に修正申告書が提出された場合、加算税は課さない」
という点になります。
税務署が税務調査を行おうとした時、その申告書に書面添付がされていた場合、その手順は
顧問税理士への意見聴取→①調査省略
又は
顧問税理士への意見聴取→②調査→③是認又は④修正申告(又は更正)
となります。
つまり、意見聴取で疑問点が解決された場合は①調査省略、それ以外の場合は②調査となり、その後は通常通り③是認(修正事項なし)又は④修正申告(又は更正)、という流れです。
これに加えて、今回の改正で想定されるのは、
意見聴取→修正申告書提出(加算税なし)→調査省略
というパターンです。
通常修正申告は、税務調査終了後、修正すべき事項を税務署と調整のうえ提出します。この場合、本税のほか付帯税(過少申告加算税又は重加算税・延滞税)が課されます。
しかし意見聴取の結果、明らかな申告漏れが発見されたような場合、その時点で修正申告書を提出することにより、
・調査省略
・加算税なし
実際に、2012年〜2014年の当事務所のクライアントに対する意見聴取の結果は、
法人税 意見聴取6件→うち調査省略4件、調査2件(うち1件是認、1件は自主的に修正申告・加算税なし)
所得税 意見聴取3件→うち調査省略3件(1件は自主的に修正申告・加算税なし)
相続税 意見聴取1件→調査省略(自主的に修正申告・加算税なし)
となっています。
では、「加算税」とはどれくらいかかるのでしょうか?
・過少申告加算税 本税×10%(50万円を超える部分は、本税×15%)
・重加算税 本税×35%
延滞税も含めると、決して安くありません。
また、これらの税金は「損金」にはなりません。つまり、支払うメリットはなにもない、ということになります。。
念のために申し上げますが、意見聴取の際、税務署側から修正の指摘を受けたとしても、納得できなければ修正申告をする必要はありません。その場合、調査の現場で堂々と主張すればいいのです。
しかし意見聴取の場で、確認不足やミスなどにより明らかな申告漏れが発見された場合、「自主的に修正申告」することにより「加算税が課されない」「調査省略」といったメリットが生じることになります。
「書面添付」をしていない決算書と、「書面添付」をしている決算書。
その取扱いの差が、また一つ増えたといえるでしょう。
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GWに必ずお邪魔する茅ヶ崎の隠れ家レストラン、ぐるぐるDining。
満月が出ていて、ちょっと幻想的な雰囲気でした。
13/12/02 vol.115(since 07/01/07〜)
10月1日、三菱東京UFJ銀行が、上甲会計が所属するTKC全国会との提携ローンの取り扱いを開始しました!
「経営革新等支援機関であるTKC会員事務所の関与先企業さま限定
がんばる中小企業を応援するローン 極め」
→http://www.bk.mufg.jp/news/news2013/pdf/news1001.pdf
概要を記すと、
・経営革新等支援機関であるTKC会員事務所の関与先企業であること
・債務超過でないこと
・月次巡回監査を行っていること
・TKCシステムによる中期経営計画(5カ年計画)を策定していること
・TKCシステムによる自計化を行っていること
が主な要件で、金利は固定1.3%となっています(他に信用保証協会の保証料が必要)。
さらに、以下の①〜③に該当した場合、金利がそれぞれ0.3%マイナスとなります!
①書面添付の実施
②中小企業会計要領に準拠
③翌月巡回監査の完全実施
つまり、全てに該当した場合、1.3%−0.3%×3=0.4%!
1000万円を1年間借りて、金利は年間4万円。前代未聞の水準です。
なお、保証人は代表者1名、無担保。原則書面審査のみとなります。
このローンの特徴は、融資申し込みのハードルを上げる代わりに、ハードルをクリアした企業には最大限の優遇を約束していることです。
融資条件である「中期経営計画の策定」や「自計化」は、金融機関が「社長が会社の財務状況を把握し、自ら決算書の説明をすることができるかどうか」を求めていることの表れです。
そして、顧問税理士による「月次巡回監査」と「書面添付」が、決算書の信頼性を担保することを認めているのです。
「書面添付」は、そもそも税務署に対して提出するために顧問税理士が作成するものですが、それが金融機関に対して「この決算書は信用できますよ」というアピールのツールにもなる。そんな時代が、ようやくやってきたようです
この「極め」は、「TKC会員の関与先企業限定」で、かつ、そのハードルは正直かなり高いですが、商工中金や三井住友銀行など他の金融機関でも書面添付による金利優遇が始まっています。
このブログでは再三主張していることですが、何度でも言います経営者の皆様、御社の顧問税理士に「書面添付をしてください」と依頼しましょう!
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13/06/04
先月、クライアントの税務調査に立ち会いました。
「調査に立ち会うのは久しぶりだなあ」と思って、直近の調査立会がいつだったかを調べてみると、平成22年11月。つまり、上甲会計のクライアントには、この2年6ヶ月間税務調査がなかったのです
もっとも、この2年6か月の間に、書面添付による意見聴取が計6件ありましたが、そのすべてが調査省略となりました。つまり書面添付をしていなければ、2年6か月で6件の調査があったことになり、それを全部書面添付で跳ね返したということになります。
さて、今回調査になったクライアントは、もちろん書面添付をしているので、調査の前に意見聴取がありました。が、残念ながら調査省略とはならなかったのです
この「調査を省略」するかどうかを決めるのは税務署側ですが、何か明確な基準があるわけではありません。一般的には、税理士の説明によって、税務署側の疑問点等が解決された場合などは省略になる、と考えられます。
ちなみに、今回調査省略にならなかった理由について、税務署側は「取引規模が大きいこと」と「長期間調査に入っていないこと」を挙げていました。
では、今回のように調査になってしまった場合、書面添付を行った意味はなくなってしまうのでしょうか?
いえいえ、決してそんなことはありません。
調査官も既に意見聴取で会社の概要を把握しているので、調査のポイントが絞られることになります。その結果、調査期間の短縮につながります(実際に、今回は当初2日間の予定が、実質的に半日で終了しました)。
そして、調査の結果は・・・・・見事、申告是認を勝ち取りましたつまり、修正なし。
後日「是認通知」が届くとのことで、クライアントもホッとするとともに、大変喜んでいました。
2年6カ月ぶりの、税務調査。
結果はハッピーに終わりましたが、調査の過程の中で「ああ、こうしておけば、もっとスムースに進んだのにな」という、要改善点がいくつか見つかりました。
これからも書面添付にますます磨きをかけて、「税務調査のない事務所」を目指します!
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12/07/02
さあ、今日から7月です。2012年もあっという間に半分が過ぎてしまいました。今月末にはロンドンオリンピックが始まります。ワールドカップの時と同様、また寝不足の日々が続きそうです・・・・・。
さて、税務調査の視点から見ると、7月は「新年度」のスタート月となります。というのも、税務署の人事異動が毎年7月にあるためです。新体制となった各税務署は7月から調査を開始し、翌年6月末までに終了する、というサイクルで動いています。いわば、税務署は「6月決算」であり、調査の期間は「7月1日から翌年6月30日まで」が1事務年度となっているのです。
この平成23年事務年度(平成23年7月1日-平成24年6月30日)における、上甲会計のクライアントに対する税務調査の件数は、
法人税 意見聴取1件、調査0件
所得税・相続税・贈与税 意見聴取0件、調査0件
源泉所得税 調査1件
でした。
源泉所得税の調査(社会福祉法人に対するもの)は予想外でしたが、調査の結果特に問題となった事項はなし。
意見聴取も1件のみで、聴取の結果調査省略となりました
平成14年に書面添付制度がリニューアルしてから、今年で10年になります。前所長の山口の時代から書面添付に取り組んだ結果、クライアントに対する税務調査は本当に少なくなりました。
これも10年間、書面添付をコツコツと続けてきた成果だと思います。
書面添付にご協力頂いたクライアントの皆様には、心より感謝申し上げます。
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10/10/11
前回の記事で、久しぶりにお客さまの税務調査に立ち会ったことに触れました。そのお客さまは法人で、立ち会ったのは「法人税」の税務調査だったのですが、今月に入って別のお客さまの「相続税」の意見聴取がありました。まさに、税務調査のシーズン到来、といったところです。
さて、今回意見聴取の対象となったお客さまの相続税申告は、
被相続人が亡くなった時期→2009年4月
申告期限(10ヵ月後) →2010年2月
意見聴取の連絡 →2010年10月
つまり申告期限から8カ月経って意見聴取の連絡があったことになり、相続税の税務調査のタイミングとしてはまず順当であると言えます。
そして上甲会計では、法人税と同様、相続税の申告書にも書面添付をしています。そこでまず、
・税務署から、顧問税理士である私に意見聴取を行いたい旨の連絡が入る
・私が税務署に赴いて、申告内容に関する意見陳述を行う
・意見陳述の内容を考慮して、税務署側が現地調査を行うかどうかを決定する
という手続きが採られるのです。
先週私たちは税務署に赴き、申告内容に関する意見陳述を行いました。約1時間にわたって質疑応答を行ったのですが、税務署の担当調査官は私たちが提出した添付書面や関係資料を事前にとても丁寧にチェックしていて、質疑応答もポイントを絞っていて的を得たものでした。仮に現地調査となった場合でも、無駄な時間をかけない、ポイントを絞った効率的な調査となるでしょう。
意見陳述の結果現地調査が省略されるケースがあることは何度も述べていますが、相続税の場合、法人税と比べるとその性格上現地調査に移行する確率が高いのが実情です。しかしながら、「調査のポイントを絞る」という意味では、相続税の書面添付の効果は法人税の場合以上に高いと言えます。
相続税の税務調査。この経過は、後日フォローしたいと思います。
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10/09/12
前々回の記事で「昨年度の税務調査0件」と書いたのですが、今年度早々、久しぶりにお客さまの税務調査に立ち会うことになりました・・・・・。
このお客さまの決算書には書面添付を行っているので、税務調査に先立ち、まず税務署側が顧問税理士である私から「意見聴取」を行い、その結果今回は調査省略に至らず、現地調査となったのです。
では「書面添付を行っている場合の現地調査」と、「行っていない場合の現地調査」とは、具体的にどのように違うのでしょうか。
一言でいうと、「書面添付にあらかじめ記載してある項目や、意見聴取で触れている項目については、基本的に調査が省略される」ということになります。
税理士が作成する書面添付の内容は、その会社の1年間の売上や利益の状況・主な費用の増減、そしてそれらの出来事を会計上及び税務上どのように処理したか、といったことがメインテーマとなります。つまり税務調査が行われた場合にポイントになりそうなことはあらかじめオープンにしているため、税務署側は調査のポイントについてのヒアリングは税理士からの意見聴取の際に既に行っているはずであり、従って現地調査の場面では確認程度で済むはずなのです。
その結果、現地調査では書面添付で触れられていないことにポイントが絞られ、結果として調査の効率化、具体的には調査時間や調査期間の短縮につながるのです。
そして、上甲会計として久しぶりに臨んだ現地調査。この経過についてはいずれまた触れたいと思います。
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10/07/11
2010年もあっという間に上半期が過ぎました。
・・・・・と、この時期になると毎年同じことを書いているのですが、上甲会計ではこのタイミングで上半期実績の「棚卸」を行います。そして「出来たこと」と「出来なかったこと」を洗い出し、下半期の目標を再設定します。
さて、この半年のあいだに、上甲会計にはお客さまから様々な相談が寄せられ、それに応じたサポートを行っています。
相談の一例を挙げると、
・ 同族会社(株式会社)の解散・清算
・ 外国子会社の清算
・ 子会社(株式会社)の合併
・ 同業者団体(人格のない社団)から、一般社団法人への組織転換
・ 特例民法法人(旧財団法人)の公益認定取得
・ 事業承継 (親の医院を活用した介護事業への参入)
等々の「決断」をされたお客さまが、このわずか半年の間に多くいらっしゃいました。
日本経済が大きな転換期を迎える中、私たち中小企業も新しい「かたち」を求め、未来を見据えて変化に対応していることの表れと、肌身にしみて感じます。
これらはいずれも「大事業」であり、上記の相談の多くは現在も進行中です。上甲会計ではお客さまと充分に打ち合わせをしながらサポートを続けています。
さて、タイトルに話を戻しましょう。恒例の?税務調査事績ですが、この半年間で上甲会計のお客さまへの税務調査はありませんでした。
また、書面添付の「意見聴取」も昨年の秋の記事以後はありません。つまり税務署の「事務年度(7月1日から6月30日)」でカウントすると、2009年7月から2010年6月の1年間は、意見聴取1件(調査省略)、税務調査0件だったことになります。
書面添付については、もう何度も過去の記事で触れているのでここでは述べませんが、これも上甲会計が地道に書面添付に取り組んできた表れだと考えています。金融機関の評価も確実に高まっている中、私たちは書面添付を通じて今後もお客様をサポートしてまいります。
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10/05/02
GWに入って、天候不順もようやく一段落しました。そしてGWが明けると、怒涛の3月決算申告期に突入します。日本では大企業や官公庁の多くが3月決算のため、中小企業や非営利法人もそれに合わせているところが多く、したがって5月に決算申告・納税を行う法人が集中する傾向にあります。
さて、上甲会計がお客様へのサービスとして力を入れている「書面添付」について、このたび金融機関が書面添付を行っている法人向けのサービスを開始しました。
それが三井住友銀行の「書面添付制度活用ローン」です。
このサービスは同社のプロパーローンである「ビジネスセレクトローン」がベースとなっていて、融資の審査基準等はこのローンに準じて行われます。そのうえでこの「書面添付ローン」は、
・金利最大0.25%優遇
・返済期間延長
・事務手数料無料
といった優遇措置が受けられます。
そもそも「書面添付」は、納税者が税務署に申告書を提出する際、その決算についての処理内容や意見を記載した書面を顧問税理士が作成・添付し、それによって税務調査を簡略化または省略するという、税理士法で定められた制度です。この制度をなぜ金融機関が利用し、書面が添付された決算書を優遇するのでしょうか?
その答えはとても簡単です。金融機関が、顧問税理士により書面添付がされた決算書を信頼しているからです。
添付された書面の内容を見れば、その会社の決算の概要を把握することができます。税理士が作成する添付書面は税務署に提出するためのものですが、それは金融機関が融資する際に必要な情報でもあるのです。その情報を融資先が事前に開示してくれるのですから、金融機関の信用が増すことはいうまでもありません。
書面添付優遇ローンは、三井住友銀行だけでなく、三菱東京UFJ銀行などでも同様の商品を取り扱っています。このほか三井住友銀行には「WEBレポートローン」という商品があり、電子申告を利用している場合に金利優遇を行っています。書面添付や電子申告を利用しているお客様は、ぜひこれらのローンの利用をご検討ください。
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09/10/18
先日、上甲会計にとって第1号となる<意見聴取結果についてのお知らせ>が、某税務署より届きました!
今年になって、書面添付制度の取り扱いがまた一歩前進しました。新制度では、関与税理士の事前意見聴取の結果、現地調査を行う必要がないと税務署が判断した場合は、書面でその旨を関与税理士に通知することとなったのです<関連記事はこちら>が、その書面がこの<意見聴取結果についてのお知らせ>、すなわち調査省略通知なのです。
この<新制度>の運用は7月から始まりました。上甲会計には9月中旬、税務署から、<第1号のお客様>に関する意見聴取を行いたいとの連絡がありました。私はすぐに担当者と一緒に税務署に赴き意見聴取に応じた結果、9月下旬には<お知らせ>が上甲会計に届きました。税務署の対応は、とてもスピーディだったと思います。
この<意見聴取制度>の特徴は、税務署から意見聴取の連絡があり<お知らせ>が届くまでの間、税務署とお客様との接触が全くないということです。現地調査が省略となる場合は、電話1本すらありません。つまりお客様の税務調査が、税務署で関与税理士を相手に行われ、終了の場合は関与税理士に対して<お知らせ>を出す、という仕組みになっているのです。
<新制度>になったからといっても、私たち税理士側の対応が変わる点はありません。しかし今回、実際に税務署からの通知を受けとってみると、改めて<書面添付をやってよかったなあ>という気持ちになりました。なぜなら書面添付をしていなければ、今回のお客様には現地調査がはいっていたのですから。今後も関与税理士にしかできないサービスである<書面添付>に、今まで以上に取り組んで行こうと思います。
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09/07/26
2009年もあっという間に折り返し地点を過ぎてしまいました。この半年間、経営者の皆様は計画通りに経営を行うことが出来ましたか?
上甲会計でも先日、上半期の実績の「棚卸」を職員全員で行いました。年初に掲げた計画を順調にこなしている人、あるいは実行できなかった人様々ですが、重要なのは年初に決めた計画を再確認し、それを踏まえてこれから半年間をいかに過ごすか意識付けをする、ということです。
依然として厳しい経済状況が続いていますが、チャンスは必ずあるはずです。皆で知恵を出し合い、汗をかいて、2009年を良い年として締めくくることが出来るよう頑張りましょう
さて、2009年上半期は、上甲会計では例年になく「書面添付制度による事前意見聴取」の多い年でした。
(書面添付制度及び事前意見聴取については、こちらをクリック!)
事前意見聴取の件数と、その後の税務調査の状況を下記に記すと、
法人税 意見聴取6件、うち税務調査移行2件
相続税 意見聴取1件、うち税務調査移行1件
所得税 0件
といった状況です。
つまり法人税については、6件のうち4件が事前聴取で終了し、税務調査が省略されたことになります。
また税務調査に移行した2件についても、1件は半日、もう1件は1日で終了し、共に是認(修正なし)となりました
書面添付の効果が如実に現れた結果といえます。
2009年は書面添付の取り扱いについて、事前意見聴取で調査省略となった法人に対しては税務署長が書面で通知を出す(いわゆる税務調査の是認通知に相当するもの)ようにするなど、国税庁が制度をよりいっそう推進することを明確にしました。
(「意見聴取結果についてのお知らせ」国税庁HPより)
つまり、「書面添付のある決算書」と、「書面添付のない決算書」を、今まで以上に区別して取り扱うことを、国税庁が宣言したのです。
上甲会計はこれを踏まえ、今まで以上に書面添付に積極的に取り組み、質の高い決算書を提供することにより、お客さまが安心して経営に取り組めるよう努力してまいります
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08/08/23
今年も7月1日に税務署の人事異動が発表され、各税務署新体制となりました。新体制が一段落した8月から年内いっぱいは、税務調査のシーズンとなります。
通常の税務調査(いわゆるマルサでない、任意調査です)の場合、事前に税務署から会社宛に調査の連絡が入り、日程調整をしたうえで現地調査となります。また、関与税理士がいる会社については、併せて関与税理士にも連絡が入るので、税理士を交えて調査の段取りをすることになります。
一方、その会社の申告書に関与税理士が「書面添付」をしている場合は、まず関与税理士に「意見聴取」の連絡が入ります。関与税理士は現地調査の前に税務署に出向き、会社の決算の内容について説明し、疑問点の解消に努めます。
「意見聴取」の結果、調査の必要がないと税務署が判断した場合は、現地調査は行われません。意見聴取後、なお現地調査の必要があると税務署が判断した場合は、通常の税務調査となります。しかし、既に意見聴取の段階で関与税理士がポイントを説明しているので、一般的には現地調査はスムースに行われます。
先ごろ、国税庁と日本税理士会連合会とが協議し、「書面添付制度の普及・定着」という合意文書が発表されました。そのなかに、 以下の項目があります。
・ 記載内容が良好な「添付書面」について、意見聴取後、調査省略を行った場合には、文書による「調査省略通知」を行う
税務署が会社の現地調査を実施して、特に修正すべき事項がない場合、会社に対し「是認通知」と呼ばれる文書を出す場合があります。申告書は適正でしたよ、という、いわば税務署の「お墨付き」です。
「調査省略通知」は、「是認通知」の書面添付バージョンといえます。国税庁は、書面添付の件数を増やし、実効性を高めるためにこのような改正を行っているのです。
事業を経営している以上、税務調査は避けて通れない道です。しかし、
・普段から会計帳簿や、議事録等の書類を整理しておくこと
・調査時に、事実関係と処理内容を的確に説明すること
これができれば、特に恐いものではありません。
それでも大抵の人にとって、税務調査はあるよりはないほうがいいものでしょう。時間は拘束されるし、だいいち精神衛生上良くない(?)。そんな経営者の方は、決算書への「書面添付」をするよう顧問税理士に依頼しましょう。調査の簡略化につながるだけでなく、きっと顧問税理士との信頼関係がこれまで以上に深まりますよ!
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08/07/02
今年も早いもので、あっという間に半年が過ぎてしまいました。いよいよ、後半戦に突入です。
さて、7月は税務署の人事移動の時期になります。いわば税務署は「6月決算」であり、平成19事務年度(平成19年7月から20年6月)の税務調査は、ひととおり終了したことになります。
この間の、上甲会計の顧問先への税務調査実績は、
所得税 0件
法人税 1件(書面添付実施先 事前聴取後調査実施)
相続税 1件(書面添付実施先 事前聴取後調査実施)
となりました。
「書面添付を原則、全てのお客様に実施する」こととして事務所全体で取り組んだ結果、ここ数年、上甲会計の顧問先に対する税務調査件数は極めて少なくなっています。
「会社の概況や、決算にあたって行った税務会計処理の内容を、予め税務署に開示する」という書面添付の趣旨を、お客様が理解していただき、それを税務署が評価してくれた結果の賜物だと、深く感謝申し上げますm(_ _)m
昨今の行財政改革により、税務署職員数は抑制されている一方で、申告件数は増加の一途をたどっています。
そこで国税庁は、「今後税務調査は、問題のありそうな会社や、大企業に絞って重点的に行う。その他の会社については、税理士がきちんと関与してほしい」という方針を打ち出しています。
この「税理士がきちんと関与」していることを、税理士が具体的に証明するのが「書面添付」なのです。
国税庁は、税理士が書面添付制度をもっと利用するよう促しています。平成17事務年度の書面添付率は、4.9%。普及しているとはまだまだ言い難い状況です。
書面添付は、「税務調査の簡略化」というメリットだけでなく、電子申告と併せて国の「行財政改革の後押し」をすることになります。また、金融機関に対する「決算書の信頼性を高める」ことにもなります。「書面添付」というキーワードを、どうぞ頭の片隅に入れておいてください。
書面添付についてはこちらをクリック!
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07/08/02 今年も早いもので、半年が過ぎたと思ったら7月もあっという間に過ぎてしまいました。 さて、今年も山口会計の顧問先に対する税務調査の実績をまとめてみましょう。 平成18年7月から平成19年6月までの1年間(税務署は人事異動が7月にあるので、7月から6月までが税務署にとっての「事業年度」になります)の間に、山口会計の顧問先に対して行われた税務調査の件数は 法人税 0件 法人税のうち、書面添付による事前聴取 1件 所得税 1件 相続税 0件 という結果でした。 法人税の事前聴取(1件)については、事前聴取の結果、現地調査が省略されました。 また所得税(1件)については、書面添付をしていなかったものに対する現地調査でした。 山口会計では、法人税申告のうち90%、相続税は100%、所得税は平成18年分の確定申告から、事業、不動産、譲渡所得について書面添付を実施しています。 書面添付制度を活用している効果が如実にあらわれているといえるでしょう。 今後も書面添付を通じて、お客さまの経営を徹底的にサポートしていきたいと思います。 書面添付についてはこちらをクリック!山口会計は、書面添付でお客様の経営をサポートします! 山口税務会計事務所 http://www.tkcnf.com/yamaguchi8888/pc/ お問い合わせは、こちらからどうぞ。
07/02/11 今年も、いよいよ確定申告のシーズンに突入しました。 会計事務所にとっては「書き入れどき」です。 当事務所の職員も、調べ物をしながらブツブツ独り言を言う者、突然立ち上がって「できた!」叫ぶ者・・・・・などなど、みな「確申モード」に気持ちを切り替え、張りつめた空気が漂いはじめました。(お客さまには職員一同笑顔で応対いたしますので、ご安心ください。) さて、山口会計が力を入れている「書面添付」ですが、実は書面添付を行うことができるのは、法人税だけではありません。 所得税の確定申告書にも、税理士は書面添付を行うことができます。 そして法人税と同様、書面添付の最大のメリットは、「事前聴取制度」にあります。 つまり「通常の税務調査を行う場合、現地調査に入る前に、顧問税理士が税務署に赴き、申告内容について事前に説明する」という点にあります。 「私は事業を行っていないので税務調査は関係ない」などと考えるのは早計です。不動産所得や譲渡所得、相続や贈与など、税務調査は法人、個人を問わず、全ての所得が対象になります。 そして、会社の経営者や、個人事業者の方ならいざ知らず、そうでない方が税務調査を受けるというのは、時間的、精神的にかなりの負担になります。 山口会計では今年から、当事務所で受託したお客様の確定申告書のうち、事業所得、不動産所得、土地建物等の譲渡所得がある方については、原則として書面添付を実施することにいたしました。これによって、お客さまの税務調査に対する不安を少しでも軽減できれば、と考えます。 今年の確定申告は、山口会計は「電子申告」と「書面添付」でお客さまをサポートします! 山口税務会計事務所 http://www.tkcnf.com/yamaguchi8888/pc/ 電子申告については →こちら 書面添付については →こちら 確定申告についてのお問い合わせは→こちら
皆さん、決算書には、2種類の決算書があるのをご存知ですか?
それは「書面添付がある決算書」と「書面添付がない決算書」です。
「書面添付」とは聴きなれない言葉と思いますが、簡単に言うと、「税理士が、会社の決算の内容を説明した文章(=書面)を、決算書に付けて(=添付)税務署に提出すること」です。
それでは、「書面添付がある決算書」と「書面添付がない決算書」の違いはどこにあるのかを説明しましょう。
その違いは、税務署による税務調査時の対応に現れます。
通常、税務署が調査をする場合、事前に対象会社及び顧問税理士に連絡し、日時を決めた上で現地調査に入ります。
ところが、「書面添付がある決算書」を提出した会社に対し調査を行う場合は、
① まず現地調査を行う前に、税理士(だけ)を税務署に呼び、会社の決算の内容について税理士から説明を受ける(この際、税務署は決算の疑問点等について税理士に質問をし、税理士がそれに対し回答をします。これを「意見聴取」といいます)
ことが必要です。さらに、
② この説明により税務署の疑問が解決された場合は、現地調査を行わず、省略することができるのです。
つまり、税理士の書面が決算書についていれば、調査が省略される可能性がある、ということなのです。
「なんだ、それだけのことか」とお思いかもしれませんが、この「省略される可能性」に、絶大な効果があるのです。
上甲会計では平成14年改正税理士法施行と同時に書面添付に積極的に取り組み、現在約95%の顧問先の決算書に書面を添付しています。
その結果、書面を添付した顧問先に対して調査の連絡があった場合も意見聴取で終了することが多く、現地調査は激減しました。
もちろん、税理士はこの書面にウソを書くことはできません。ですから顧問先と税理士との間に確かな信頼関係が構築されていないと、書面添付は実施できないことになります。
また、書面には会社の財務状況や経営成績を詳らかに記すことになるので、結果的に決算書の信頼性を高めることとなり、書面添付がある決算書は金融機関の評価も高いものとなります。
税務調査は、会社を経営する以上、絶対に避けて通ることはできません。
しかし調査の経験のある社長さんならおわかりでしょうが、痛くもない腹を探られ、貴重な日程を拘束されるなど、なければないでそれに越したことはありません。
つまり、調査で論点になりそうなことを、申告書を税務署に提出する時点で事前に情報開示する、それが書面添付の意義なのです。
書面添付を実施することにより、会計事務所と顧問先との距離はぐっと縮まります。みなさんも、顧問税理士に「次の決算は、書面添付をしてください」と依頼してみてはいかがでしょうか。
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