vol.175(since 07/01/07〜) 

19/01/09→24/09/19改

 

中小企業が金融機関から融資を受ける際、常にネックとなるのが「担保」「個人保証」です。


以前の記事でも書いたとおり、日本の金融機関の中小企業に対する融資は、実質的には「会社」にではなく「経営者」個人に対して行われているといえます。
そして事業承継により会社の代表者が交代しても、先代経営者から後継者への保証人の変更や、先代経営者の個人資産の担保解除に金融機関は簡単には応じてくれません。
これが、事業承継の大きなネックになっています。

 

そこで平成25年12月、「経営者保証ガイドライン」が公表されました。このガイドラインは、中小企業が融資を受ける際に、経営者保証や担保を要不要とする基準を定めたものです。

 

経営者保証に関するガイドライン(中小企業庁)

 

上記HPによると、「経営者保証ガイドラインの3要件」の全てまたは一部を満たせば

 

事業者は →経営者保証なしで融資を受けられる可能性がある
      すでに提供している経営者保証を見直すことができる可能性がある
金融機関は要件の充足度合いに応じて、経営者保証を求めないことや保証機能の代替手法の活用を検討


とあります。そして、経営者保証ガイドラインの3要件」とは

 

・資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている
・財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である
・金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている

 

が、将来に亘って充足する体制が整備されていることが必要とされています。

 

さて、ガイドラインが制定されてから10年が経過しました。この間、実際にこのガイドラインは活用され、その結果「経営者保証なしの融資」は増加しているのでしょうか?

 

上述の中小企業庁HPには経営者保証に依存しない新規融資の割合」が記載されていて、

 

政府系金融機関 2014年度  4.1万件→2023年度   8.2万件
民間系金融機関 2014年度42.6万件→2023年度115.8万件

 

と、10年間で倍以上となっています。

 

一方、同HPに記載されている「経営者保証の提供状況(2020年度)」を見ると

 

経営者保証を提供(借り入れの全部または一部) 80%
経営者保証を提供していない           20%

 

と、経営者保証が未だに「スタンダードな融資方法」であることが窺えます。

 

そもそも経営者の皆さんは、「経営者保証ガイドライン」を知っていたしょうか?
ここ10年の間、融資を初めて受けたり、追加融資を受ける際、金融機関側から「ガイドラインがあり、3要件を満たせば保証なしで融資を受けられる可能性がある」と説明されたことはなかったのではないかと推察します。

 

そこで金融庁令和4年12月、ガイドラインを普及・促進するため「経営者保証改革プログラム」を策定し、

 

 金融機関が経営者等と個人保証契約を締結する場合には、保証契約の必要性等に関し、事業者・保証人に対し て個別具体的に

・どの部分が十分ではないために保証契約が必要となるのか
・どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるか

説明をすることを求めるとともに、その結果等を記録することを求める。

 

こととしました。

 

経営者の皆さんには、まず「経営者保証ガイドライン」があることを知っていただき、金融機関から融資を受ける際は

 

・経営者保証なしで融資を受けられないのか
・受けられないのであれば、その理由
・どのようにすれば経営者保証を解除できるのか

 

を、当然に確認する習慣を身につけていきましょう。

 

また、「経営者保証ガイドラインの3要件」は、中小企業にとって決して高いハードルではありません。顧問税理士や認定支援機関に相談し、具体的な対応策を考えましょう。

 

 

 

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