経営者保証・担保を不要に。商工中金「対話型当座貸越」

vol.175(since 07/01/07〜) 

19/01/09

 

 

中小企業が金融機関から融資を受ける際、常にネックとなるのが「担保」「個人保証」です。

 


以前の記事でも書いたとおり、日本の金融機関の中小企業に対する融資は、実質的には「会社」にではなく「経営者」個人に対して行われているといえます。
そして事業承継により会社の代表者が交代しても、先代経営者から後継者への保証人の変更や、先代経営者の個人資産の担保解除に金融機関は簡単には応じてくれません。

 

 

これが、事業承継の大きなネックになっています。

 

 

そこで平成25年12月、「経営者保証ガイドライン」が公表されました。このガイドラインは、中小企業が融資を受ける際に、経営者保証や担保を要不要とする基準を定めたものです。
あくまでも「中小企業・経営者・金融機関共通の自主的なルール」ですので、強制力はありません。このガイドラインに対応して保証や担保を付すかどうかは、個々の金融機関の対応によります。

 

 

経営者保証に関するガイドラインHP→http://hosyo.smrj.go.jp/index.html

 

 

上記HPによれば、

 

 

・新規借入時・既存保証契約見直し時 -経営者保証なしで新規融資を受けることができる可能性があります。

・経営者保証の解除ができる可能性があります。

 


とあります。

 

 

また、ガイドラインの適用を受けるため、中小企業に求められる経営状況として「法人と個人の分離」を掲げています。
具体的には、

 

 

融資を受けたい企業は、役員報酬・賞与・配当、オーナーへの貸付など、法人と経営者の間の資金のやりとりを、「社会通念上適切な範囲」を超えないようにする体制を整備し、適切な運用を図る。

 

 

とあり、さらに

 

 

・融資を受けたい企業は、自社の財務状況を正確に把握し、金融機関などからの情報開示要請に応じて、資産負債の状況や事業計画、業績見通し及びその進捗状況などの情報を正確かつ丁寧に説明することで、経営の透明性を確保する。

・情報開示は、公認会計士・税理士など外部専門家による検証結果と合わせた開示が望ましい。

 


としています。

 

 

このルールには強制力がないことから、実際に活用されるのかどうか疑問視されていたのですが、昨年あたりから金融機関の具体的な取り組みが始まりました。

 

 

1 横浜市信用保証協会

  経営者保証ガイドライン対応保証制度 

2 商工中金

 「対話型当座貸越」

 

 

うち2の 「対話型当座貸越」は、TKC会員事務所(上甲会計も会員事務所です)の関与先企業向け商品で、

 

 

・月次巡回監査・書面添付を実施していること

中小会計要領チェックリストを作成していること

・税理士・関与先企業・商工中金の3者が、事業概況及び見通しについて年1回対話(会議)を行うこと

 

 

などを条件に、無担保・無保証で借入枠を設定する、というものです。
当座貸越」や「対話」を前面に打ち出している点で、ユニークな商品と言えます。

 


以前(主に、バブル前)の金融機関は、企業が一時的に資金が必要な時には柔軟に融通してくれたし、また企業の状況や社長の経営方針を充分に理解してくれていたように思います。
そう考えると、これは企業の発展育成に貢献するという金融機関の本来の姿に立ち返った商品と言えます。さらに無担保・無保証なのですから、むしろ進化系かもしれません(その代わりに、企業には財務情報の開示及び税理士が作成した一定の証明書類の提示が求められます)。

 

 

無担保・無保証融資に対する、金融機関の更なる取り組みに期待します。 

 

 

 

 

 

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