vol.228(since07/01/07~)

24/02/07

 

書面添付制度については、当ブログを開始した当初に「書面添付をしましょう。」の記事でその意義を記載し、また「調査に効く!書面添付」のコーナーを設けて随時記事をアップしてきました。
今回は、その様式等の一部改正について記します。(いずれも、令和6年4月1日以降に提出する申告書等より新たな様式を使用することとなります。

 

1 タイトルが変わります。

 

(旧)税理士法第33条の2第1項に規定する添付書面

            ↓

(新)申告書の作成に関する計算事項等記載書面

 

なぜタイトルが変わるのか、意図はよくわかりません。しかしこれにより今まで書面添付」「添付書面」と呼んでいたこの書面が「記載書面」とか「書面記載」とか呼ばれるようになるのでしょうか???

 

2 様式が変わります。

 

「5総合所見」欄が追加されました。


記載要領には「「5総合所見」欄には、申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項の総合的な所見を記載してください。」と書かれています。
具体的に何を求めているのかは不明ですが、旧様式の記載要領に「「5その他」欄には、申告書の作成における所見等を記載してください。」とあるので、基本的には「5その他」が「5総合所見」になったものと考えられます。

 

そうすると「6その他」欄には何を書くのでしょうか?


記載要領には「「6その他」欄には、1(略)欄から5(略)欄までの各欄に記載した事項以外の事項で、記載すべき事項(例えば、申告書の作成に関し、計算し、整理した事項以外の事項で個別的・特徴的である事項や、税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度、納税者の税に関する認識、申告書作成に当たって留意した事項など)があれば記載してください。」とあります。

 

この中で注目すべきは「税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度」で、いわゆる「月次巡回監査」を行っているのか、「年一」なのか、そもそも関与形態は「監査=納税者が記帳を行った会計帳簿書類を税理士が確認する」なのか、「記帳代行=税理士が会計帳簿の作成を行っている」なのか等々、の記載を求めているものと考えます。
当然に、これらの情報は意見聴取税務調査実施の判断材料になるでしょう。

 

3 資産税用の様式が新たに制定されます。

 

  申告書の作成に関する計算事項等記載書面(資)

 

今まで資産税専用の様式はなく、上記1と同じ様式を使用していました。相続税・贈与税等の書面添付は、令和6年4月1日以降この様式によることになります。


1の様式との主な違いは、

 

・「3計算し、整理した主な事項」欄中「(2)(1)のうち顕著な増減事項」「(3)(1)のうち会計処理方法に変更等があった事項」がない
・上記の代わりに「(2)(1)のうち個別的・特徴的な事項」がある

 

とタイトルが変更されましたが、記載要領を比べても1の様式と大きな差異はありません。

 

それ以上に注目すべきは、記載要領に1と同じく、「「6その他」欄には、(略)(税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度、納税者の税に関する認識(略))があれば記載してください。」とある点です。


これは法人税等とは異なり、相続税で言えば「納税者の帳簿書類の監査の頻度」とは具体的には「相続関係者との打合せの時期及び回数」に当たるものと考えられます。
つまり税理士が被相続人の財産の状況を把握するためにどの程度相続関係者と接触したかを知ることにより、1と同様課税庁が意見聴取税務調査を実施するための判断材料にするものと思われます。

 

財務省「令和4事務年度 国税庁実績評価書」によると、税理士が関与した申告書の件数のうち書面添付があったものの件数の割合は法人税10.0%、相続税23.4%となっています。
今回の改正も、課税庁の税理士に対する期待の表れでしょう。税理士にとって「申告書に、書面添付を実施する」という業務は今後ますます重要になってくるものと考えます。

 

 

・→カテゴリ:調査に効く!書面添付

 

 

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