vol.154(since 07/01/07〜) 

17/04/10

中小企業のほとんどは、会社運営に必要な資金の一部を借入金に拠っています。

その借入先を大別すると

・金融機関からの借入金
・社長(又は親族)からの借入金

となります。

社長借入金が生じる原因は

・創業時の運転資金
・資金不足時の一時的な資金繰り

などによります。

この社長借入金が厄介なのは、殆どの場合、返済期限や返済条件を定めていないことですよく言われる「ある時払いの催促なし」の状態ですね。

社長からすると、会社に貸しっ放しで、大抵の場合時間の経過とともにその存在を忘れていきます。決算時に私たちが「社長、会社への貸付金がまだこれだけありますよ」と報告すると、「ええ、いつそんなに貸したの?」とびっくりされることもしばしばです。

さてこの社長借入金、社長が元気に、現役で社長業に携わっている間は大きな問題はありません。問題が生じるのは、この借入金を返済しないまま、社長に相続が発生した場合です。

相続税の計算上、この社長借入金(=同族会社への貸付金)は、基本的に相続財産として相続税の課税価格に算入されます。

私たちが遺族の方にこのことを説明しても、ピンと来ないケースがほとんどです。そもそも社長自身に「会社にお金を貸している」という感覚がないのですから、その遺族は貸付金の存在など知る由もないのが普通です。

しかし貸付金はまぎれもない「相続財産」であり、相続税の課税の対象となります。またこの貸付金は「相続財産」として遺産分割協議の対象となり、相続人の誰かが取得することとなります。この貸付金を取得した相続人は、会社に対する新たな「債権者」となり、会社に対し返済を求めることになります。

ところで、会社はこの新たな債権者に対し、借入金を返済することができるのでしょうか?

残念ながら、その可能性は低いでしょう。社長借入金は多くの場合「返済できないから貸しっ放し」の状態にあったのです。

また、借入を重ねることでその残高が多額になっているケースもあります。そうすると、ますます返済は困難です。いわば「不良債権」の状態です。

いつ、いくら返済されるかどうかもわからない「不良債権」の状態にある貸付金が相続税の対象となってしまう。これを避けるために、生前に採れる対策はあるのでしょうか?
以下のような方法が考えられます。

①相続発生前に、会社を解散する
②相続発生前に、借入金につき債務免除を受ける

①によれば、会社清算の過程で弁済を受けることとなり、また弁済不能であれば貸付金額のうち全部または一部の債権放棄をすることになります。しかし会社が継続する場合この方法は採用できません。

②によれば、貸付金額の全部または一部の債権放棄をすることになります。しかしこの方法は会社に債務免除益が生じ会社に課税されるだけではなく、他の株主に対する贈与税の課税関係が生じる場合があります。


これらの対策が有効かどうかは、社長や会社の財産状況により異なり、ケースバイケースで判断することになります。会社に多額の社長借入金や親族借入金がある場合、思わぬ税金がかからないよう事前のシミュレーションが重要です。

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