相続税:未分割の場合の特例不適用

vol.205(since 07/01/07〜) 

21/07/05

 

 

前回は「相続税:未分割申告」というテーマで、

 


申告期限までに財産の全部または一部が分割されていないときは、共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして課税価格を計算し、期限内に申告することとされています。
そして上記申告後財産の分割があり、実際に取得した財産の課税価格が上記申告の課税価格と異なるときは、修正申告による追加納付又は更正の請求による還付(更正の請求書の提出期限は、異なることを知った日の翌日から4月以内)を受けることができます。

 

と書きました。

 

ところで申告期限までに未分割の場合、相続税の特例のうち適用できないものがあります。
主なものは、以下の2つです。

 

@ 配偶者の相続税額の軽減



  被相続人の配偶者が相続又は遺贈により財産を取得した場合、

   イ 課税価格×法定相続分

   ロ 1億6千万円

  の大きい方の金額に対応する相続税は軽減されます。



  配偶者が財産を取得する場合には税制上の大きなメリットとなりますが、申告期限までに分割されて配偶者が取得した財産のみに適用されます。 



A 小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例



  被相続人の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等で、相続人等が取得したもののうち一定の要件を充足するとして選択したものについては、通常の評価額の20%又は50%で評価します。

  限度面積及び減額割合は、以下の通りです。

   イ 特定事業用宅地等     限度面積400u、減額割合80%

   ロ 特定同族会社事業用宅地等     400u     80%

   ハ 特定居住用宅地等         330u     80%

   ニ 貸付事業用宅地等         200u     50%



  平米当たりの評価額が高い宅地等に適用することにより大きな節税メリットが得られますが、申告期限までに分割されていない宅地等には適用されません。



ところで、これらの特例は当初申告時に未分割の場合適用できないのですが、後日分割された後に改めて適用できる場合があります。


具体的には、分割されていない財産を

・申告書の提出期限から3年以内に遺産を分割し、かつ

・分割の日の翌日から4か月以内に、上記@Aの特例を適用して相続税額を再計算した更正の請求書を提出する

場合に限り、納め過ぎの税金(=特例を適用しないで計算した相続税額−特例を適用して計算した相続税額)の還付を受けることができます。



ただしこの適用を受けるためには、「申告期限後3年以内の分割見込書」を、当初申告書に添付して提出することが必要です。つまり、後日遺産が分割された際にこれらの特例の適用を受けることを予め申告しておかないといけないのです。



では申告期限から3年以内に遺産が分割できない場合はどうなるのでしょう?


分割できなかったことにつきやむを得ない事情がある場合に限り、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を、その提出期限後3年を経過する日の翌日から2か月以内に提出し、承認を受ける必要があります。この申請が承認された場合、財産の分割が出来ることとなった日として定められた日の翌日から4月以内に分割された場合に特例適用を受けることができます。

 

 

 

→カテゴリ:相続&贈与

 

 

 

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