相続空家の3000万円控除

vol.143(since 07/01/07〜) 

16/05/18

 

 

平成27年の相続税増税以後、上甲会計には相続税申告に関するご相談・ご依頼が大変増えています。

 


その中で、「親が自宅で一人暮らしをしていて、亡くなった後空き家になっている」というケースがあります。これが、意外と多いのです。

 


「一人暮らしの親の自宅」は、通常、子が相続します。しかし子は既に自分の生活の本拠があるので、「親の自宅」は子の生活には必要のない財産になります。

 


必要がなければ売却してしまえばよいのですが、子には「親の自宅」を手放せない(又は、手放したくない)何らかの事情があったりします。そうすると、特に利用するわけでもなく、また特に処分を急ぐ必要もないのでそのままにしておく、ということになります。

 


これがいわゆる「空き家問題」です。

 

 

建物は、適切に管理しなければたちまち傷んでしまいます。庭はあっという間に雑草だらけ。空き家であることは近所にすぐにわかります。ゴミが投棄されたり、火災や盗難のリスクも増大し、そのまま放置することは大変危険です。

 


この「空き家問題」解消のために創設されたのが、この制度です。

 

 

  「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設」(国税庁HPより)

 


以下の土地建物を譲渡した場合、譲渡所得から3000万円を控除する、というものです。

 

<対象財産>
・被相続人が一人暮らしをしていた家屋で、昭和56年5月31日以前に建築されたもの、及びその敷地

・家屋付きで譲渡する場合、家屋が耐震基準を満たす必要がある

・家屋が耐震基準を満たさない場合、耐震リフォームを行うか、更地にして譲渡する

 


<要件>
・相続開始から譲渡時まで空き家であったこと(=貸付・居住等を行っていない)

・譲渡対価が1億円以下であること

・相続の開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したこと

 (EX.平成28年5月1日相続→平成31年12月31日までに譲渡)

 

 

なお、適用期限(譲渡期限)は平成31年12月31日、相続税の取得費加算制度との選択適用となっています。

 

 

譲渡所得税は、(譲渡代金ー取得費ー譲渡費用)×20.315%(長期譲渡の場合)で計算します。
自宅を親がずっと以前に購入した場合や、親が祖父から相続により取得した場合、一般的に「取得費」は極めて少額です。この「譲渡所得」から3000万円を控除できれば、税負担はかなり圧縮されます。

 


要件はいろいろあり、かつ、期間限定の制度ですが、該当する空き家を所有している方は処分するきっかけにしてもよいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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