vol.199(since 07/01/07〜) 

21/01/08

前回「役員退職金の税務(9)〜功労加算金・弔慰金」というテーマで述べました。
うち「弔慰金」は、役員が在任中に死亡した場合に、会社が役員の遺族に対して支給するものです。


今まで述べてきた役員退職金の「税務」は、基本的に法人税法上の取り扱いで、かつ生前退職が前提でした。
ところで会社が役員退職金を支払うのは生前退職のみならず、役員が在任中に死亡し、その遺族に対して退職金を支払う、という場合があります。
そうすると、役員退職金を受け取るのは役員本人ではなく役員の遺族となるので、受け取った役員の遺族に対する課税関係を考える必要があります。


今回は、死亡退職した役員に対して役員退職金を支給した会社、及び役員退職金を受け取る役員の遺族の課税関係を整理します。

① 法人税  

死亡退職の場合、死亡日=退職日となります。もちろん、みなし退職という概念はありません。  
支給手続きは生前退職の場合と同様で、   

株主総会で、支給すること(及び支給額)を決議→取締役会等で、支給額・支給時期・支給方法等を決議  

となります。
また、支給した役員退職金の損金算入時期も生前退職と同様で、

「株主総会の決議等により、その額が具体的に確定した日の属する事業年度とする(=決議日基準)。
ただし法人がその退職給与を支払った日の属する事業年度において、その支払った金額につき損金経理をした場合は、これを認める(=支給日基準)」  

となります。



② 相続税  

役員の死亡により相続人等が受けた死亡退職金で、その役員の死亡後3年以内に支給が確定したものはみなし相続財産として取り扱い、原則として相続税の課税価格に算入します。
ただし、退職手当金等の支給を受けた者が相続人である場合には、その受けた金額のうち一定額は相続税の非課税財産として取り扱います(非課税限度額=500万円×法定相続人の数)。  
また相続人等が受ける弔慰金のうち、一定の金額は非課税とされています(前回の記事参照)。


③ 所得税

退職した役員に対し退職金(生前退職金)が支給された場合、それはその役員の退職所得とされ、支給時にその退職所得に対する所得税及び住民税が源泉徴収されます。   
一方その役員の遺族等が死亡退職金の支給を受ける場合、基本的に所得税は課税されません。  
また死亡退職金とは別に弔慰金が支給される場合、社会通念上相当と認められる部分については所得税は課税されません(前回の記事参照)

→役員退職金の税務(11)に続く

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