役員退職金の税務(14)〜会社解散と退職金支給〜

vol.210(since 07/01/07〜) 

21/12/06

 

 

 

会社解散の手続きは、通常

 

 

株主総会等による会社解散の決議→解散登記→会社清算手続き→清算結了

 

 

という順に進みます。

 

 

そして会社解散の決議と同時に取締役は全員退任し、新たに清算人が登記され、清算結了までの間清算事務に従事することになります(中小企業の場合、旧代表取締役が清算人に就任するケースが多いです)。



ところで会社が解散し取締役が退任するタイミングで、その退任取締役に役員退職金が支給されることがあります。
しかしその退任取締役が引き続き清算人に就任する場合、清算人は会社法上「役員」であることから、取締役を退任しても「役員」を退任したことになりません。
そうすると、取締役を退任したことをもって支給した役員退職金は「退職したことに起因して支払われることとなった給与」に該当しないから、法人税法上損金の額に算入されないのではないか、といった疑問が生じます。

 

 

これについては、所得税基本通達で、

 

 

「法人が解散した場合において、引き続き役員として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与は、(所得税法上)退職手当等とする」

 

 

ことが明示されています。
またこれを受けて、国税庁HPの質疑応答事例には、(このような給与は)法人税法上も退職給与として取り扱うことが相当」とされています(ただし、その退職給与の計算の基礎とする期間は「解散前の勤続期間」、つまり取締役として従事していた期間であり、清算人として従事する期間は含まないことに留意してください)。

 

 

なお役員退職金の損金算入時期は、以前の記事で述べたとおり、

 

 

・原則「株主総会の決議等により、その額が具体的に確定した日の属する事業年度=決議日基準)」

・例外「法人がその退職給与を支払った日の属する事業年度において、その支払った金額につき損金経理をした場合は、これを認める(=支給日基準)」

 

 

のいずれかを選択することになります。

 


例えば、会社解散に伴い代表取締役が退任後清算人に就任する場合において、

会社解散日=9月30日、退職金支給決議日=9月30日、退職金支給日=10月31日

とすると、役員退職金の損金計上時期は、



決議日基準:   9月30日を含む事業年度(解散事業年度)で計上  (仕訳 役員退職金/未払金)

支給日基準: 10月31日を含む事業年度(清算中の事業年度)で計上(仕訳 役員退職金/現預金)



となります。




→役員退職金の税務(15)に続く

 

 

 

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