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vol.190(since 07/01/07〜)
20/04/01
前回までは3回に分けて、持株会社を設立し、現事業会社の株式を借入金により買い取るケースの効果を検証しました。
そしてこのケースでは、オーナーに株式譲渡所得税が発生すること、及び借入金という負債を抱えることがデメリットとして挙げられます、と書きました。
このデメリットを回避するために、組織再編手法の一つである株式移転を用いて、適格要件を満たすことにより株式移転時の譲渡益課税を繰り延べて、課税されることなく持株会社を設立することが可能です。
今回は、株式移転による持株会社設立の効果を検証してみましょう。
1 持株会社設立後直ぐに相続が発生した場合
①前提条件
・A(B社の代表取締役社長)は、B社(非上場・資本金1000万円・全額Aが金銭出資により設立)の発行済株式のすべてを所有する100%株主です。
・B社株式の簿価純資産額(諸資産帳簿価額-諸負債帳簿価額)は9000万円です。
・B社株式の時価総額(第三者間での売買適正価額)は10000万円です。
・B社株式の相続税評価額※は7500万円です。
※B社は中会社(Lの割合0.75)とし、類似業種比準価額7000万円×0.75+純資産価額9000万円(1-0.75)=7500万円とします。
※純資産価額9000万円は、評価差額に対する法人税額相当額が控除されているものとします。
なお控除しない場合の純資産価額は10000万円とし、その場合のB社株式の相続税評価額は7750万円(類似業種比準価額7000万円×0.75+純資産価額10000万円(1-0.75))です。
・B社は持株会社C社(資本金9000万円)を設立します。
・Aは有するB社株式すべてを、持株会社C社に移転します。
・AはB社株式移転の対価として、C社株式すべてを受け取ります。これによりB社はC社の完全子会社となり、またAはC社の100%株主となります。
②C社株式の相続税評価額(株式移転直後の純資産価額※)
※C社は開業後3年未満の会社に該当するため、純資産価額で評価します。また、C社が所有するB社株式の純資産価額の計算にあたって、評価差額に対する法人税額相当額控除の規定は適用されません。
資産7750万円(B社株式7750万円)ー負債0円=7750万円
③Aの所有財産の価額(相続税評価額)
・C社設立前
7500万円(B社株式)
・C社設立後
7750万円(C社株式)
④効果
持株会社設立前、Aの所有財産の価額は7500万円であるのに対し、C社設立後の価額は7750万円です。Aの所有財産の種類(非上場株式)は変わりませんが、評価方法の差異により評価額が増加する要因があり、このケースでは250万円の増加となります。
持株会社設立の目的がオーナーの相続税対策のみだとすると、その効果はこの時点では全くありません。むしろ会社設立や株式移転に係る費用を支払い、ランニングコストも増加するのですから、デメリットの方が大きいと言えます。
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