vol.162(since 07/01/07〜) 

22/06/10(17/12/11改)

※令和2年最高裁判決を受けて所得税基本通達が改正されたため記事内容を改訂しました。

前々回は、


・相続税評価額によって計算した株価は、相続・贈与でのみ通用する価額であって、譲渡の価額ではない
・自社株式を売買するときの価額は、「時価」を用いる

ことを書きました。

また前回は、

・譲渡の場合の自社株式の価額=時価の算定は、相続税評価額を計算する方法を準用する
・時価より「著しく低い価額」で譲渡を行った場合、時価と実際の対価との差額は贈与があったものとされ、買主に贈与税が課される

ことを書きました。

さらに話は続きます。
今回のサブタイトルは「売り手が同族株主か少数株主かで違う?自社株式の価額」です。

まず具体例を挙げましょう。


A社の社長Bは、A社の株式を90%所有しています。
残りの10%はCが所有。CはA社の役員で、Bと親族関係はありません。
Cは今年A社を定年退職することになり、BはCが所有するA社株式を購入することにしました。
では、BとCはA社株式をいくらで売買すればよいでしょうか?

この場合「税務上の時価」を算定し、譲渡価額が「著しく低い価額」にならないかどうか判断することが重要であるということを前回述べました。

更に留意点があります。
このケースでは、売り手が同族株主か少数株主かにより「税務上の時価」は異なる、ということです。

この差異が生じる理由は、BとCの会社との関係にあります。
A社は筆頭株主グループ(B)の議決権割合が50%超の会社であり、「(譲渡直前に)同族株主のいる会社」に該当します。
またBグループの持株割合は50%超であることから、Bは「同族株主」に該当し、かつ(譲渡直前の)Bの議決権割合は5%以上(90%)です。
これに対して、Cグループの議決権割合は50%以下であることから、Cは「同族株主以外の株主」に該当します。


そして税務上の時価は、

売り手が(譲渡直前において)同族株主  →原則的評価方式前回説明した評価方法です)
売り手が(譲渡直前において)同族株主以外→配当還元方式

により評価します。

配当還元方式とは、いわゆる少数株主が「相続により取得」した非上場株式、及び少数株主が「譲渡又は贈与した」非上場株式に適用される評価方法です。少数株主は会社に対する支配権がないため、会社の資産内容を反映する原則的評価ではなく、その会社から受けた配当額を基準にして評価する、との考え方によります。
中小企業では毎年多額の配当を行っている会社は少ないので、その評価額は原則的評価方式による価額に比べて低くなるのが一般的です。


そして上記の事例では、売り手であるCは譲渡直前において「同族株主以外の株主」に該当するため、CからBに譲渡するA社株式の税務上の時価は「配当還元方式」により評価した価額となります。

実務上、非上場株式を売買する場合は

①売り手が「同族株主」又は「同族株主以外」であるかを判定する
②売り手に適用される評価方法(原則的評価方式又は配当還元方式)により「税務上の時価」を算定する
③②の評価額を基に、取引価額が「著しく低い価額」にならない範囲で売買価額を決定する(もちろん、「著しく低い価額」であっても売買は可能ですが、その場合は別途贈与税の申告が必要です)

の手順によるのが安全です(なお株式発行会社が「同族株主のいない会社」に該当する場合であっても、株主の状況により「原則的評価方式」と「配当還元方式」に区分して評価します)。

→カテゴリ:実務編・自社株式

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