vol.222(since07/01/07~)
23/04/06 
 
 
社長さんは、自社の現在の株主が誰で、持株割合がどうなっているか把握していますか?
 
 
会社は会社法上、株主名簿を作成し備え置く義務があるので、現在の株主=最新の株主名簿に記載されている者、ということになります。
 
 
ところでその名簿に、
 
 
・現社長Aの知らない人Bの名前があり、聞いてみると先代社長Cの知人であった
・親戚Dの名前があるが、会社経営とは全く関係がない
・BDの所有株式数は少ない
 
 
ような場合、BDの所有する株式は「名義株」の可能性があります。
 
 

名義株」は法律上定義された用語ではありませんが、通達等では「株主名簿等に記載されている者が単なる名義人であって、当該名義人以外の者が実際の権利者である場合には、その実際の権利者」が所有する株式、とされています。

 
 
なぜこのような「名義株」が存在するのでしょう?
 
 
株式会社を設立する場合、以前(1991年3月31日まで)は最低7名の発起人が必要とされていました。中小企業のオーナーが自分以外に出資者をあと6名募るのはなかなか大変です。そこでオーナーは知人や親戚などの許可を得て彼らの名義のみを借り、実際の資金はオーナー自身が拠出して株式会社を設立する、ということが行われました(この場合、名義株式数は少数であることが多い)。
 
 
このような「名義株」が存在する会社は、設立時のオーナーが経営を継続し、かつ設立の事情を承知している株式名義人が元気なうちは名義株に関する問題は起きないでしょう。株主総会は基本的に年1回以上開催されますが、株式名義人がその権利を行使することはないと思われます。そもそも会社が彼らに招集通知を送っていなかったケースも多いのではないでしょうか。
 
 
しかし設立時オーナーから後継者に会社の事業が承継されると、後継者と株式名義人との関係は希薄になります。やがて株式名義人に相続が発生すると、事情を知らない株式名義人の相続人は、その株式が被相続人の財産であると考えるのが普通です。
 
 
このようにして、株式名義人やその相続人は、最終的には後継者や会社に株式の買い取りを要求することになります。株式の評価額が高い会社の場合、その時価=買取価額が高額になり、相当の出費を強いられることもあります。
これが、名義株問題です。
 
 
ではこの問題が起こるのを防ぐにはどうすればよいでしょうか?
 
 
最大の対策は、設立時オーナーが、後継者に事業を承継する前に、名義株の状態を解消することに尽きます。
解決方法は、大きく二つに分かれます。
 
 
1 名義株であるとの認識を共有し、株主名簿を「真の株主」に書き換える
 
 
株式名義人の名義をもって設立登記を行ったが、それは会社設立時の事情によるもので実際の資金は設立時オーナーが拠出していること、株式名義人は会社の株主としての認識はなかったことを確認したうえで、株主名簿から株主名義人を抹消し、名義株を設立時オーナーの所有する株式に加算する方法です。
この事実を確認したことにつき覚書を締結したほうがよいでしょう。これにより名義株は消滅し、真の出資者である設立時オーナーの所有株式数が正しいものとなります。
 
 
2 株式名義人=「真の株主」であるとの認識を共有し、株式を買い取る
 
 
実際の資金は設立時オーナーが拠出したが、その後諸事情により現在は株式名義人が真の株主であることを確認したうえで、オーナーが株式を買い取る方法です。買取価額は時価となりますが、株式名義人が「同族株主以外の株主」に該当する場合税務上の時価は配当還元方式が適用され、低額で買い取ることができる可能性があります(→贈与と譲渡で違う?自社株式の価額(3)参照)
 
 
以上12の解決方法が考えられますが、税務上の判断は上記の事実関係のほか、
 
 
・配当を受けていたのが誰か
・相続時に名義株を相続財産として誰が計上していたか、etc
 
 
が総合的に考慮されます。それによっては上記12の取引が税務上は認められず、贈与税等の課税関係が生じることがあるので、名義株の処理は事実関係に即して慎重に処理することが求められます
 
 
 

→カテゴリ:実務編・自社株式

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