さて、事業承継において退職金の支払いと同様に、いやそれ以上に重要なのが、「先代社長が保有している自社株式を、どのようにして後継者に譲り渡すか」ということです。
 

 「オーナー社長」と言う名の通り、多くの中小企業は社長(及びその親族)がその会社の株式の大部分を保有しています。たとえ代表取締役を退任しても、株式を保有している間、先代社長はその会社の経営全般の最終決定権を持ち続けることになります。
 

 自社株式は事業承継とともに後継者に譲り渡し、後継者がその会社の新たなオーナーとなる、というのが理想的な事業承継の方法です。

 

 ところが、ここで厄介な問題が生じます。 「その自社株式は、いくらで譲り渡したらよいか」ということです。自社株式の値段を決める場合には、通常「税務上の評価額」がひとつの基準となりますが、この「評価額」が思わぬ高値になることがあるのです。

 

 オーナー社長が会社設立時に出資した100万円(の自社株式)の評価額が、事業承継の際には10倍、20倍になっている、というケースは珍しくありません。後継者にその評価額で買い取ってもらえば問題はありませんが、値段によっては後継者が取得資金を用意できないこともあります。

 

 また後継者が親族である場合は、株式を贈与するという方法がありますが、一時に贈与すると多額の贈与税がかかるケースがあります。

 

 自社株式をスムースに譲り渡すためには、①株価が下がったタイミングで譲渡(または贈与)する②相続時精算課税制度を利用して贈与する③長期的に連年贈与する、などの方法がありますが、どの方法もメリット・デメリットがあり、またいずれの方法も簡単ではありません。

 

 そこで平成21年度の税制改正で創設された、いわゆる事業承継税制(相続税・贈与税の納税猶予)を利用するという方法があります。まだできたばかりの制度で実績がなく、また適用要件等はかなり複雑ですが、身内の後継者が確実に決まっている場合、スムースな事業承継に大きな効果を生じるケースがあります。

 

 以前の記事でも触れましたが、社長は自分の会社の値段が今いくらなのかを知る必要があります。その自ら築いた「自社株式」という財産を、後継者にスムースに引き渡すことによって事業承継は完成します。自社株式の譲り渡しは、後継者が決まった時点で計画を策定し、時間をかけて実行する必要があります。

 

 

 

→次は、事業承継の実務・個人保証など

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