07/06/03→17/01/20改 中小企業の経営者の皆様、「決算書」と「税務申告書」は違うものだということは、ご存じでしょうか? こんな経験はありませんか?決算書上の「利益」は30万円なのに、税務書に申告する「所得」は100万円。税金は「所得」に対してかかるので、納税額は100万円×30%(概算税率)=30万円。30万円の「利益」に対して、30万円の「税金」を払うという、何ともやりきれない事態が発生してしまうのです。 この「利益」と「所得」の差が出る主な原因は、「決算書」では「費用」で落としているけれど、「税務申告書」では「損金」(税金計算上費用と認められるものを損金といいます)にならないものがあるためです。 決算書上「費用」であって、税務上「損金」にならないものは、たとえば次のようなものです。 ・ 法人税(事業税以外は「損金」にならない) ・ 役員賞与(事前届出をするなど一定の場合を除き「損金」にならない) ・ 引当金(賞与引当金・一定の貸倒引当金など) ・ 貸倒損失(税務上「損金」の要件を満たさないもの)
決算書上の「利益」に、損金にならない費用をプラスし、逆に「益金」にならないもの(=決算書上収益だが、税金計算上収益としなくてよいもの)をマイナスして、「所得」を計算するのが税務申告書です。 会計事務所に決算申告事務を依頼すると、多くの場合「決算書」と「税務申告書」を同時に作成します。そのため区別がつきにくいのですが、正確には2つの異なる書類を同時に作成していることになります。 ところで、この「利益」と「所得」の差が、近年拡大する傾向にあるのです。 その原因は、中小企業会計要領の普及などにより、金融機関からは決算書上「費用」として計上するよう求められるものの、それが税務上「損金」とならない項目が増加していることにあります(例えば、各種引当金の計上など)。
詳しい説明は省きますが、これらの適用に伴い、決算書上の「利益」と税務申告書上の「所得」の差が開いていく傾向にあります。それに伴い、「利益」がマイナスなのに「所得」がプラスになるようなケースが今まで以上に増加することが予想されます。 中小企業の経営者の皆様、毎月の試算表で御社の「利益」をチェックする際は、同時に「所得」がどのくらいになるのか、ということも意識するようにしてください。
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