先日、三菱東京UFJ銀行の担当者を事務所に招いて、所内研修会を行いました。
テーマは、「決算書の見るべきポイント」です。
もっとわかりやすく言うと、「銀行は会社に融資をする際、決算書のどこを見て融資する、しないを決定するか」ということです。
ご存知の通り、10年ほど前から、銀行は全ての貸出先に対し「格付=ランキング」を行っています。(三菱東京UFJ銀行では、貸出先を一定の基準に従って10段階で評価しています。)そしてその格付により、貸付の可否や金利を決定します。
下位のランク(「要注意先」以下)に格付された場合、原則として新規の貸付は停止されます。
研修では、「要注意先」となるポイントとして、「2期連続赤字」や「債務超過」など、具体的な事例を交えて説明がされました。
ただし、中小企業は売上規模等が小さいため、大企業に比べ一般的には格付が低くなってしまいます。そのため中小企業の場合、いわゆる「定量面=決算書の数値から機械的にはじき出される格付」以外に、「定性面=数値に表れない、社長の経営姿勢や個人資産の評価」を考慮して格付を決定します。
その「定性面」の評価を上げるため、社長さんに是非行ってほしいと担当者が力説していたことがあります。
それは、「決算書が出来上がったら、その決算書を持って、社長自ら銀行に説明に来てほしい」ということです。
格付は決算書の数値をシステムに入力することによって、ある程度自動的に決まります。しかし、最終的には融資を決定するのは「人」です。その「人」を動かすのは、「人」にしかできません。
会社の決算について、社長自身の言葉で内容を説明し、また来期の展望・社長の経営方針を銀行の支店長に伝える。それを毎期続けることで、銀行と会社との信頼関係が生まれてきます。
最近は、「銀行マンの対応がドライになった」という声がよく聞かれます。時代の変化で、やむを得ないことなのでしょう。銀行を訪れる社長も、以前と比べれば少なくなったそうです。だからこそ、今社長自身が銀行に出向けば、その効果は以前よりも格段に高いはずです。
メガバンクの三菱東京UFJでさえそうなのですから、地銀や信用金庫などではなおさらでしょう。金融機関は、お金を貸したいのです。銀行はお金を貸さなければ、仕事にならないのですから。
研修では、銀行が決算書のどこをどう見るか、ということについて、かなり突っ込んだ説明がありました。上甲会計では、お客様の決算書を作成する際に、研修で得た「知恵」を充分に活かしていこうと思います。
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