vol.129(since 07/01/07〜)
15/02/12
いよいよ確定申告「夜明け前」。
ということで、今回は個人所得税に関連する新制度の話題です。
正式名称は「雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除」
この制度は、平成26年分の所得税から、つまり今回の確定申告から適用されます。(法人税でも同じ制度が創設されていて、所得税より先に適用が始まっています。)
その概要は、以下の通りです。
①適用対象者は、青色申告を行っていて、従業員を雇用している個人事業者
②雇用者に支払う給与の総額が、基準年(平成25年)に支払った給与の総額より2%以上上回っている
③雇用者に支払う給与の総額が、比較年(今年の比較年は、平成25年)に支払った給与の総額を上回っている
④一人当たりに支払う平均給与支給額が、比較年(平成25年)に支払った一人当たり平均給与支給額を上回っている
⑤上記の要件を全て満たした場合、給与増加額の10%を税額控除(中小企業者の場合、事業所得に係る所得税額の20%を限度)
例えば、青色個人事業者が、従業員5人に対して
平成25年:1人当たり平均30万円/月×12カ月×5人=計1800万円
平成26年:1人当たり平均35万円/月×12カ月×5人=計2100万円
の給与を支給したとします。
そうすると、
上記②の要件 (2100万円-1800万円)÷1800万円=16.6%≧2%
③の要件 2100万円>1800万円
④の要件 35万円>30万円
となり、要件を全て満たすことになります。
この場合の税額控除額は (2100万円-1800万円)×10%=30万円となります。
事業所得の税額が150万円以上である場合、30万円全額が控除されます。(所得控除ではなく、税額控除です!)
では、平成26年に新規開業した場合はどうでしょうか?
この場合、「基準年(平成25年)に支払った給与の総額=事業開始年の給与の総額×70%」として計算します。
上記の例で、平成26年に開業した場合の税額控除額は、
(2100万円-2100万円×70%)×10%=63万円となります。(くどいですが、所得控除ではなく、税額控除です!)
この制度は、平成30年まで適用されます。
ということは、平成30年までに従業員を雇って新規開業する青色個人事業者は、開業した年は基本的にこの制度を適用できることになります(親族従業員は範囲外など、一定の条件があります)。
「給与の総額」や「一人当たりに支払う平均給与支給額」を、毎年上昇させていくのは難しいとは思いますが、開業年は必ずこの要件をクリアすることになります。ここ2,3年で開業をお考えの方は、この制度の適用を忘れないようにしましょう。
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