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26/10/09NEW!
以前の記事「役員退職金の税務(6)~支給額は、どう決める?~」で
法人税では、その支給額が、
・その役員の業務に従事した期間
・退職の事情
・その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の状況、etc
に照らし、「不相当に高額」と認められる金額は損金の額に算入しない、とされています(法令70①二)。つまり「役員退職慰労金規程」で定めた金額が「不相当に高額」でなければ、「税務上妥当」である、ということになります。
と書きました。しかし、「税務上妥当な金額」の算定に具体的なルールが存在しないため、
そのため税務調査で、会社がオーナー社長に支払った役員退職金が「不相当に高額」だとしてその一部を否認し、会社側がそれを不服として訴訟等を起こす、といった事例は枚挙にいとまがありません。
と書きました。
ところで、役員退職金は所得税法上「退職所得」として取り扱われます。退職所得は基本的に分離課税で、下記の算式により計算されます。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
この算式から、退職所得は給与所得(総合課税)に比して優遇されているといえますが、仮に役員退職金を支給した会社に税務調査が入り、その支給額に「不相当に高額」な部分があるとしてその一部が否認された場合、役員退職金を受け取ったオーナー社長の所得税にはどのような影響が生じるのでしょうか?
例を挙げて説明しましょう。
会社が退職したオーナー社長に1億円の役員退職金を支払い、会社の法人税申告上その全額を損金算入したが、税務調査で「不相当に高額」な部分が2,500万円あるとして否認(=法人税法上の適正額は7,500万円)されたとします。
役員退職金を受け取ったオーナー社長は、所得税上1億円を「退職所得」として処理しています。ところが会社の税務調査で「法人税法上の適正額は7,500万円」とされてしまいました。
この場合、オーナー社長の退職所得は7,500万円であり、「不相当に高額」とされた2,500万円は役員賞与(給与所得)として、オーナー社長の所得金額も更正されてしまうのでしょうか?
結論から言うと、仮に役員退職金支給額のうち法人税法上「不相当に高額」とされた部分があったとしても、その役員退職金を支払った原因が所得税法上の退職所得の要件を満たす限り、その支給額全額が「退職所得」として取り扱われるものと考えます(上記の事例では、オーナー社長の退職所得は1億円であり、オーナー社長の所得税に異動はありません)。
国税庁ホームページ「退職所得となるもの」には、以下のような記載があります。
退職所得として課税される退職手当等とは、退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいいます。
つまり所得税法上の退職所得の意義は「退職したことにより支払われること」及び「一時に支払われること」であり、この2つの要件を満たせば法人税法上「不相当に高額」とされた部分を含めて「退職所得」として取り扱うことに問題はないものと考えます。
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